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『のぼさんとカノジョ?』 第7巻 モリコロス 【日刊マンガガイド】

2017/03/25


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『のぼさんとカノジョ?』


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『のぼさんとカノジョ?』 第7巻
モリコロス 徳間書店 ¥562+税
(2017年2月20日発売)


のぼさんこと野保康久(のぼ・やすひさ)が入居した部屋には、何かがいた。
しゃべれないし見えないので、ホワイトボードを使ってコミュニケーションをとる。
会話をするうちに、カノジョ(?)自身記憶がなく、自分がなんなのかわからず苦しんでいたことがわかる。のぼさんはとても優しい。カノジョはけなげだ。
毎日ともに暮らすうちに、お互いかけがえのない存在になっていく。

カノジョは、なにも見えていないのに、返事一つひとつが愛しくて仕方ない。
ちょっと嫉妬深くて、いつも一生懸命で、のぼさんのことが大好きなカノジョのキュートさは強力。
ほかにもかわいい女の子は出てくるけれど、のぼさんは、カノジョのことしか頭にない。

第7巻ではカノジョがなんなのか、はっきりする。
父親らしき人物と話すことで、なぜカノジョが部屋にい続けるのか、過去になにがあったのか、そしてカノジョがなんなのかが一気に明らかになる。

以前からユーレイだと自己認識しているカノジョ。
のぼさんのことが好きだから、きちんと成仏したいと願っている。
のぼさんは別れたくないと号泣しながらも、カノジョと真剣に話しあい続け、決意を固め始めていた。
すべてが解明され始めた今、少しだけ光明が見えてきた。

起きている出来事は、人の生死の苦しみに関わる話なので、かなり重たい。
しかし描写は、周囲の人間を巻きこんだラブコメディとして徹底しているので、明るく軽快だ。
のぼさんの大学の友人はどんな時も当たりが雑だし、従姉妹の千夏ははのぼさんが好きすぎて大暴走。みんなの存在によって、悩み続けるのぼさんが助けられている部分は大きい。

次の8巻は最終巻。
どんなラストであろうと、のぼさんとカノジョをはじめ、前向きなやつらが集まってるんだもの。
なんらかのかたちで幸せになるに違いない。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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