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『アンゴルモア 元寇合戦記』たかぎ七彦インタビュー 蒙古襲来! 異彩を放つ鎌倉歴史アクションの源流は「横山三国志」から!?

2016/03/07


鎌倉の町並みは中国雲南省がモデル!?

――武士の軍装などは意外と資料が残っていますが、鎌倉の町並みは何を参考にされました?

たかぎ 家とか建物は博物館に再現模型があるんですけど、町並みって、家の並びとかですよね?

――そうですね。博物館的なものは整然としているんですけど、『アンゴルモア』に出てくる鎌倉は、生活感に溢れているように感じました。

あまり資料が残されていない当時の町並みも、リアリティを持った描き方が試されている。

あまり資料が残されていない当時の町並みも、リアリティを持った描き方が試されている。

たかぎ 鎌倉の町並みは、雲南省の少数民族の村を参考にしています。

――雲南省?

たかぎ 20代の半ばごろに、1カ月ほど少数民族の村をバスで訪ねる旅をしたんです。もう漫画家アシスタントの仕事をしていた時期なんですけど、お休みをもらって行ってきました。

――それは取材で?

たかぎ いえ。そのときは取材とかではなかったです。でも、いずれ何かのときに使えるかもしれないと思って、たくさん写真を撮っておきました。

――あの、なんでまた雲南省に? 『三国志』だったら南蛮王の孟獲[注5]が出てくるところですよね?

たかぎ そうですね、孟獲がいるところ(笑)。最初の発想の時点では「孟獲のいるところはおもしろそうだな」と思ってましたよ。実際に行くころになると、その地域の少数民族の村の暮らしに興味が移っていましたけれど。外国の村の暮らしに興味があったんです。

――少数民族というのは、どのあたりでしょうか?

たかぎ 雲南省にはいろいろな民族がいるんですけど、ナシ族とかペー族とかタイ族ですね。だいたい自治区なので、少数民族とはいっても、それなりに都市化はしています。お土産物屋もあるし。ただ、服装とかは民族によってかなり違いました。タイ族がいるところはかなり南で、タイとの国境に近いので、けっこう暖かいんですよ。

――暑いですか?

たかぎ タイ族の村は暑かったんですが、孟獲のいた昆明は「常春」といって、一年中春のような気候でした。だからマンガで孟獲が出てきたところのような、ジャングルではないです。

――あれは完全に熱帯のイメージでしたからね。

たかぎ 雲南省に行って、長期滞在用のドミトリーの扉を開けたら、いきなり日本人が寝転がっていてゲームボーイをやってました。「中国まで来てなにやってんの……?」って思うんですけどね(笑)。

――ああ、観光もせず。

たかぎ 日本で半年ぐらいアルバイトで稼いで、それで物価の安い国でのんびりする……という日本人がけっこういました。だから現地の人は「日本人は働かない」と思ってる(笑)。

――アジア諸国はどこに行ってもそういう日本人がいるそうですね。雲南省での経験で、実際に『アンゴルモア』に取り入れたのは、具体的にはどのような部分ですか?

たかぎ 都市化していないアジアの村って、現代の日本人からすると、少し前の時代にタイムスリップしたような感覚があります。割ときれいなレストランであっても、雨が降ったら床まで水が流れ込んできたりする。古くからの建物も残っているし、そういうところはおもしろかったですね。なので町並みを描くときは、雲南省の村を参考に、天然のごちゃっとした感じを出したいと思ってます。

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最新単行本5巻が絶賛発売中の『アンゴルモア 元寇合戦記』、主人公の造形や大迫力の合戦シーンの執筆秘話など、貴重なお話の続きは次回、インタビュー第2弾で披露! ご期待ください!!


  • [注5]孟獲 中国三国時代の豪族で、現在の雲南省昆明市付近の出身とされる。フィクションでは異民族の王として、ややコミカルな描写で登場することが多い。

取材・構成:加山竜司

単行本情報

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