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『タイムスリップオタガール』(佐々木陽子)ロングレビュー! 「働かなくても良いでござる~~~~~中学生 最っ高じゃないですか~~~~~」 アラサーオタク腐女子が1996年にタイムトラベル!?

2017/03/21


話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!

今回紹介するのは『タイムスリップオタガール』

『タイムスリップオタガール』著者の佐々木陽子先生から、コメントをいただきました!

著者:佐々木陽子

取りあげていただき、ありがとうございます! 
たいへん驚いております! 

話を考えながら笑ったり、ペン入れしながら思いもしない絵になって深夜でひとり笑いながらペン入れしたり、自分のギャグで笑ったり……ハッ! わりと笑いながら描いていました!

楽しんでいただける時間をお届けできたらな~~~と思います!


TimeSlipOTAgirl_s01

『タイムスリップオタガール』 第1巻
佐々木陽子 ほるぷ出版 ¥600+税
(2017年1月15日発売)


「人生やり直しもの」が人気を呼んでいる。というより、エンタメ作品における、永遠のテーマではないだろうか。

主人公には、たとえばはっきりした後悔があったり、現状に満足していなかったり、というケースが多い。
しかし、『タイムスリップオタガール』の城之内はとこは、地方の実家暮らしでスーパーのバイトの30歳ながら、腐女子としてそこそこ今の人生を楽しんでいた。
ちなみに、語尾(モノローグの)には「ござる」、笑い声は「フヒヒ」系……と、なかなか濃くてイタい感じのアラサーオタク女子である。しかも美化ナシのリアルな姿だ。これを描ききる作者の手腕をまず評価したい。

上京して同人誌即売会に行き、テンションが上がるはとこ。このモノローグの量、質とともに生々しい。この後、彼女に降りかかる運命とは……?

上京して同人誌即売会に行き、テンションが上がるはとこ。このモノローグの量、質とともに生々しい。この後、彼女に降りかかる運命とは……?

そんなはとこは、突然、事故で命の危機にさらされ(その状況下でも、買いたての同人誌を守ることを最優先した)何度かの短期間のタイムスリップを経験したのち、1996年、中学2年生に戻ってしまう。
「身体軽くない?」、「働かなくても良いでござる~!」などと超ポジティブに喜んだのもつかの間、30歳まで大事に集めたオタクグッズのいっさいがっさい、なかでも入手の難しい同人誌がすべてない、という事実に気づいて戦慄する。そりゃ、オタクなら想像するだけでも震えるわ……。

それでも、探れば出てくるアニメグッズにノスタルジーを禁じえない。
そう、あの頃のオタグッズって、今みたいに小じゃれたものなんてなかったよな、情報を得るにも不便だったわ、と読む方もタイムスリップ気分にひたってしまう。

出ました、ビデオテープ! 標準で録って残すか、3倍速でもいいか、と悩んだよね……。アニメ誌の作品群も懐かしい。記憶の扉が全開だ!!

出ました、ビデオテープ! 標準で録って残すか、3倍速でもいいか、と悩んだよね……。アニメ誌の作品群も懐かしい。記憶の扉が全開だ!!

単行本情報

  • 『タイムスリップオタガール』… Amazonで購入

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