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『このマンガがすごい! comics 七人の侍』(黒澤明・監督 ケン月影・画)ロングレビュー! あの日本史上に名を残す名作が劇画の名手の手で復活! マンガでしか見れない幻のラストシーンとは!?

2017/06/21


話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!

今回紹介するのは『このマンガがすごい! comics 七人の侍』


sitininnnosamurai

『このマンガがすごい! comics 七人の侍』
黒澤明(監督・脚本) 小国英雄、橋本忍(脚本) ケン月影(画) 宝島社 ¥680+税
(2017年6月17日発売)


1954年公開とすでに60年以上も前ながら、日本映画を代表する作品として今もオールタイムベストの上位に君臨する不朽の名作『七人の侍』。これまでに幾度となくリバイバル公開され、昨年も現在の技術で可能なかぎりの高画質・高音質に修復された4Kデジタルリマスターバージョンが話題を集めたばかり。

そんなタイミングでこのたび復刊されることとなったのが、官能劇画の第一人者とされるケン月影によって描かれたコミカライズ版だ。同作は1970年、「週刊少年マガジン」に4回にわたって連載されたもの。
なにゆえ映画公開からずいぶんたってからであるのか? といった疑問が浮かぶ方や、そもそもコミカライズによい印象がないという方も少なくなかろう。
が、このケン月影版はそうした予想に反し、原作となる映画の魅力を丁寧に伝えてくれる、理想的なコミカライズ作品なのである。

時は戦国。麦が育ったら野武士が略奪しに来ることを知った村人たちは、侍を雇って戦うことを決意する。

時は戦国。麦が育ったら野武士が略奪しに来ることを知った村人たちは、侍を雇って戦うことを決意する。


本作が発表された1970年という時代は、現在のように家庭用ビデオなんて、普及どころか想像の範囲外のモノ。好きな映画を繰り返し観たいと思っても、テレビでごくまれに放送されるかリバイバル公開もしくは名画座でかかるのを待つかする程度しかない。
さらには207分の大長編であるオリジナル『七人の侍』は、海外の映画祭に出品するにあたり、日本での公開後間もなく160分の短縮版が製作されており、以降、1970年代半ば頃までは日本国内でもこの短縮版が上映されるのが一般的だったという。そこに登場したのが、このケン月影版というわけだ。

単行本情報

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