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宝生舞さん、見つかる。【週刊「このマンガ」B級ニュース】

2015/07/01


元女優の宝生舞さんの名前がニュースを賑やかせた。宝生さんはかつて女優として映画やドラマで活躍し、クール・ビューティーな若手新進女優としてだれもが知るところであったものの、2010年に女優業を引退。
それが突如としてニュース・トピックになったのだから、だれもが首をひねっただろう。しかも「情報提供を求む」という、まるで「たずね人」のような扱いだったのだから、すわ何ごとかと、かつてのファンたちも騒然となった。

そもそもは一般社団法人「映像コンテンツ権利処理機構(aRma)」がWEBサイトにて、宝生さんの情報提供を呼びかけていたのがことの発端。
aRmaは放送番組の二次利用のために権利者に連絡を取っていたところ、宝生さんとは連絡がつかなかったことから、同サイトの「不明権利者一覧」に名前を掲載するにいたったわけだ。
現在は関係者を通じて確認が取れたため、宝生さんの名前は削除されている。

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『MF文庫 ショムニ』第1巻
安田弘之 KADOKAWA \667+税
(2005年12月発売)


さて、宝生さんの女優時代の代表作といえば、もちろんフジテレビ系列で放映された『ショムニ』だろう。このドラマは、講談社「モーニング」にて連載された安田弘之の同名マンガを原作としている。また、ほかの宝生さんの出演作品では『OLヴィジュアル系』(テレビ朝日系列)も、かなつ久美のマンガが原作だ。

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『OLヴィジュアル系』第1巻
かなつ久美 主婦と生活社 \743+税
(2002年04月発売)


どちらも宝生舞が独特な存在感を放っていたので、ドラマ視聴者は強烈な印象を持っていると思うのだが、じつはどちらの役どころも、ドラマ版のオリジナル。原作マンガには登場しないキャラクターである。
そのことをふまえて原作マンガを読んでみると、ドラマとの相違点が如実に浮き彫りになってくるのだ。

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『ウホッ!!いい男たち ~ヤマジュン・パーフェクト~』
山川純一 復刊ドットコム \4,800+税
(2003年11月1日発売)


なお、今回の「おたずね」騒動と似たような事例はマンガの世界にもある。どれほど再出版や重版を望む読者がいても、作者と連絡が取れなければ難しい。
かつて失踪中だった吾妻ひでおも、まさにそんな「おたずね」作家のひとりだったのだろう。

しかし例外はあるもので、たとえば「やらないか?」で有名な山川純一の作品群は、作者とは連絡が取れないまま、“原典”を読みたがる大勢の熱意に押されて『ウホッ!! いい男たち ヤマジュン・パーフェクト』(復刊ドットコム)として2003年に出版された。こういったミラクルも起こりうるので、とにかく読者が声を上げることが大事なのだ。
いったん発行されて読者の目にとまったマンガは、読者にとっての共有財産でもあるので、アーカイブ化など、接続可能性を維持し続けてほしいというのが切なる願いである。

ちなみに『ショムニ』の原作マンガは、かつては講談社から出ていたが、現在はKADOKAWAから出ているので、お探しの際にはお間違いのないように。



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでのマンガ家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

単行本情報

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