じつは、今、このマンガが熱い!?　萩尾望都『ポーの一族』!!

11月も半ばを過ぎ、2016年もそろそろ終わりが見えてきた。
長期連載作品が次々に完結を迎えるなど、話題を集めるマンガニュースの多かった今年。
1年を振りかえる時期ということもあいまって、歳を取ったなぁ……と、思わざるをえない。

【参考】
『こち亀』の歴史を1分で振りかえる!! 記念回からみる40年総まとめ【B級ニュース】
なん…だと…!?　完結…だと…!?　今からでも間にあう『BLEACH』大特集…だと…!?　【B級ニュース】

しかし、終わるマンガがあれば、復活するマンガもあり。
先日、マンガ界に驚きのニュースが流れた。
萩尾望都『ポーの一族』の新作掲載日時が決定したのである！

『ポーの一族 復刻版』第1巻
萩尾望都 小学館 ￥429+税
（2016年5月10日発売）

永劫の時を生きる吸血鬼（バンパネラ）の数奇な運命を描く、マンガ史に燦然と輝く少女マンガの金字塔『ポーの一族』。
今年5月に、40年ぶりの新作「春の夢」の連載が話題を呼び、掲載誌「月刊flowers」（小学館）が異例の重版を重ねたことは記憶に新しい。
そんな『ポーの一族』新章「春の夢」の続編の掲載が、2017年1月28日に決定したのである!!

我々がどんなに歳を取ろうと、永劫を生きる吸血鬼たちはあの頃の姿のまま我々を待っている。
帰ってきたエドガーたちを前にして、我々に必要なのは、彼らに心をときめかせたあの頃の熱い想いを思い出すことだけだ。

『ポーの一族』好きはこれを読め!!　

かつて『ポーの一族』が掲載されていたのは、少女マンガ華やかなりし頃であった70年代。
当時は萩尾望都だけでなく、竹宮惠子や青池保子らが少女マンガ界を盛り上げていた、革新の時代でもあった。
あの頃に気持ちを戻すためには、『ポーの一族』だけではなく、「あの頃の少女マンガ全体」を俯瞰できるものが必要だ。
しかしそんな都合のいいものがあるだろうか？

『TJMOOK 大人の少女マンガ手帖 偏愛！美少年の世界』
宝島社 ￥1380円+税
（2016年2月23日発売）

もちろん、ある。
『ポーの一族』の魅力のひとつは、ため息をもらすような美少年たちの姿。
そんな「美少年」というテーマであの時代を彩った名作を紹介している本書籍は、エドガーたちに熱狂したあの頃に戻るのに最適な1冊だ。

また、『ポーの一族』といえば、伝奇的でもありホラーチックでもありミステリアスでもある、そのストーリーが魅力だ。
そんな、「ホラーでミステリアスな雰囲気に酔いしれる」こと。
これも『ポーの一族』に酔いしれたあの頃にもどるために、必要なことに違いない。
そんななか、『ポーの一族』のファンなら絶対に気に入る小説を発見！　

『宝島社文庫 血の季節』
小泉喜美子 宝島社 660＋税
（2016年8月4日発売）

1982年に発表されるも絶版状態になっていた幻の名作がついに復刊！
『このミステリーがすごい！2014年版』で開催された「復刊希望！幻の名作ベストテン」ランキングで第2位になった、隠れた大傑作！
ミステリーとホラーが巧みに絡み合って、ドンデン返しと不思議な余韻が楽しめる作品だ。

＜あらすじ＞
青山墓地で発生した幼女惨殺事件。その被告人は、独房で奇妙な独白を始めた。
……事件は40年前の東京にさかのぼる。戦前の公使館で、金髪碧眼の兄妹と交遊した非日常の想い出。戦時下の青年期に経験する狂気と恐怖……。
そして明らかになる、長い回想と幼女惨殺事件の接点とは。

『ポーの一族』が連載開始となる、2017年1月28日までには、まだまだ時間がある。
マンガ史に残る名作が、新たに刻む1ページを前に、今回ご紹介の本を読んで備えようではないか。

そうそう、マンガ史といえば、『ポーの一族』続編のひと足前に、新たに歴史に名を刻む1作が決定する。
そう、12月10日の『このマンガがすごい！ 2017』本誌で、今年もオトコ編1位とオンナ編1位が決定するのだ。
その1位予想は、こちらから。
アナタの予想、ハッシュタグ「#このマン2017オトコ」「#このマン2017オンナ」をつけて、ぜひツイッターでつぶやいてくださいッ!!
永き時のなか歴史を見つめ続けてきたエドガーと同じく、我々もまた歴史の目撃者であるのだ。

＜文・ショウちゃん・編集部＞
若い時はカッコイイ吸血鬼に憧れたが、歳を取るにつれて、ピュアなゾンビの魅力がわかってきた。LOVE！ ZOMBIE！