日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『アオイホノオ』
『アオイホノオ』 第17巻
島本和彦 小学館 ¥552+税
(2017年5月12日発売)
1980年代のマンガ界を舞台とした著者の自伝的作品。本作では大学2年生にしてデビューを遂げたホノオが原作つきの連載に挑むことに。
マンガの技術も描くスピードもまるで自信がないし、そもそも原作のあるマンガってどうやって描くのか!?
しかし、プロの世界では四の五のいってるヒマはない。
ホノオのあずかり知らぬところで外堀はかためられていき……とにもかくにもやるしかない!
ホノオが組むことになった原作者とは、すでに『男組』『男大空』などのヒット作を手がけ、のちに『美味しんぼ』を生み出すことになる雁谷哲!
さらに、ホノオがカラー原稿の描きかたを教わるため編集者に連れていかれた先は、新谷かおるの仕事場である。
この頃の新谷かおるは『ファントム無頼』(原作・史村翔)、『エリア88』、『ふたり鷹』を並行して連載し、超多忙を極めていた。
そんな売れっ子作家の言葉はいちいち雷のようにホノオに衝撃を与えるのだ!!
ちなみに雁谷哲が原作を担当したホノオ(=島本和彦)の初連載作とは、本作中では『闇戦士リュウ』とされているが、『風の戦士ダン』のこと。
電子書籍も出ているので、次巻が出るのを待つ間に読んでおくと、本作の世界がより楽しめるのでは!?
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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