365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが 「きょうのマンガ」です。
7月11日は橋本真也(プロレスラー)の命日。本日読むべきマンガは……。
『破壊王ノリタカ!』 第1巻
村田ひでお(作) 刃森尊(画) 講談社 ¥660+税
7月11日。今日は、闘魂三銃士としてプロレス黄金時代のど真んなかに立っていた“破壊王”こと橋本真也の、12回目の命日だ。
そんなわけで、『破壊王ノリタカ!』を読まないわけにはいかない。
主人公の沢村典隆は、冴えない15歳。
高校入学を機に、冴えない自分を変えようとするも、ある事件がきっかけで、一目惚れした女の子から「弱い人嫌いなの」と振られてしまう。
「弱い人嫌いなの」。
その言葉を胸に、強くなろうと決意した典隆は、蹴道(キックボクシング)部に入部する。
部員わずか2名、部室もボロボロの蹴道部でトレーニングする典隆をまわりはバカにするが、極真空手の最高師範でもあるコーチに鍛えられるうち、徐々に典隆は格闘家としての才能を開花させていく――。
勉強もダメ、スポーツもダメ、まるで“のび太くん”みたいな男の子が、ひょんなきっかけから強くなるシンデレラボーイストーリーは、これぞ刃森尊作品!
試合の描写も本格的で、いったいどうなるのかとハラハラしながらページをめくるのが楽しい。登場するライバルたちはいかにも強そうでイカツイのに、主役の典隆はどこから見ても弱そうなのも笑える。
刃森尊の格闘マンガ、『人間凶器カツオ!』『霊長類最強伝説 ゴリ夫』と併せて、ぜひおすすめしたい。
<文・片山幸子>
編集者。福岡県生まれ。マンガは、読むのも、記事を書くのも、とっても楽しいです。