本日5月29日は「肉の日」。
そして来月6月29日も「肉の日」。
さらに再来月7月29日も(以下略)………………そんな「29」の日に「このマンガがすごい!」編集部から空腹のプレゼントです!
もう、この記事を読んだら肉を食べずにはいられない!
「このマンガがすごい!」編集部が今、いちばん食べたい……もとい、オススメしたい「肉マンガ」をご紹介します!!
まさかの変化球!? ステーキの味はソースで決まる!
『クッキングパパ』 うえやまとち
『クッキングパパ』第33巻
うえやまとち 講談社 ¥524+税
(1993年11月19日発売)
猛烈サラリーマンのお父さん・荒岩一味が周囲の人々を男の料理で幸せにする、大人気ご長寿グルメマンガ『クッキングパパ』。連載は30年以上も続いており、肉としぼっても数々のエピソードを持つ本作だが、今回はそのなかから「ステーキ」のエピソードをピックアップ。
ステーキというと、最初期の第3巻で登場するさっそく「ビーフステーキ」もあるが、今回はお肉そのものというより、ステーキをおいしくする「ソース」に着目したエピソード「思い出はこぶステーキソース」(33巻収録)を紹介したい。
独身男性・田中が先輩女子・夢子に料理をステーキをふるまうのだが、なんと田中はレモンバターやらアップルソースやら、4種もソースを作る。
それぞれのステーキソースから呼び起こされた学生時代の懐かしい淡い思い出にひたる夢子だが、この日がまた、のちの彼女の素敵な「ステーキの思い出」のひとつになるのではないだろうか。
もちろん、田中が夢子先輩を喜ばせたソースたちの詳細なレシピも掲載されている。家庭でステーキを食べる際には、ぜひとも試してみたいものだ。
肉はやっぱり、うまいゾ!!
この感覚、南九州出身者じゃなかとわからん!!
ひまわりっ ~健一レジェンド~ 東村アキコ
『ひまわりっ ~健一レジェンド~』第7巻
東村アキコ 講談社 ¥514+税
(2008年4月23日発売)
『東京タラレバ娘』『かくかくしかじか』『海月姫』……そのたぐいまれなるコメディセンスをもって、数々の大ヒットマンガを世に送り出してきた東村アキコ。
そんな東村アキコの代表作のひとつ『ひまわりっ ~健一レジェンド~』に、興味深い「肉」のエピソードがある。
そう、チキン南蛮のエピソードだ。
父・健一と同じ宮崎の電話会社で働くOL・アキコが、父の破天荒なふるまいに振りまわされる日常を描く本作。そのアキコの弟・タクマ(モデルは『となりの関くん』の森繁拓真先生!)が、「チキン南蛮」に並々ならぬこだわりをもっている。
宮崎を離れ、広島の大学に通うタクマは、そこではじめて地元の宮崎流チキン南蛮のうまさに気づく。広島の弁当屋で食べたチキン南蛮の「コレジャナイ」感にうちふるえたタクマは、自分でつくることにするのだが……。
あつあつのチキンに林家直伝の特製ソースをかければ、あっとい間に激うま宮崎流チキン南蛮のできあがり! ひと手間を惜しまないだけで、こんなにもおいしくなるものなのかと感心してしまう。
さらにはとあるページで、先に紹介した『クッキングパパ』に対する著者のリスペクトもかいまみえ、ファンならにやりとしてしまうはず。じつに二度おいしいエピソードである。
不良グループの抗争も焼き肉で和気あいあい?
『魁!!クロマティ高校』 野中英次
『魁!!クロマティ高校』第5巻
野中英次 講談社 ¥390+税
(2002年9月13日発売)
不良たちが通う「都立クロマティ高校」に入学してしまった普通の少年・神山高志が、人智を超えた個性のワルのなかで、次第に頭角をあらわしていく様子を描いた学園バイオレンス……に見せかけたギャグマンガ。
いっけんグルメとはほど遠い作品と思えるが、第5巻にこんなエピソードがある。
東京じゅうの高校を支配下に収めようという野望に燃える北斗武士が、部下の「北斗軍団」の面々と軍団の方針をめぐって話し合いをすることに。その議論の場に選んだのが、なんと焼肉屋!
軍団に反旗をひるがえすナンバー2・北斗に従って彼を糾弾する軍団メンバーそれぞれに、なんとなく肉をふるまっている(いわば焼肉奉行!?)状態の北斗が、自問自答しながらだんだん至高の深みにはまっていく様子がおもしろい。
本作を読んで確信した……。大勢で焼き肉を食べる時、けっして肉を焼く係になってはならない……。(とくに会費制のときはな!)
飲み会でも肉! 残暑をはらうにはコレざんしょ♪
のみじょし 迂闊
『のみじょし』第2巻
迂闊 竹書房 ¥650+税
(2016年3月7日発売)
のみじょし=「飲み女子」のタイトルどおり、主人公のみっちゃんこと無類の飲み好き女子高瀬道子が、同い年の女子2人を中心にビールや日本酒、はたまたワインとあらゆるお酒をたしなむ4コマショートマンガである。
そんな『のみじょし』、お酒をおいしく飲むにはおいしい肴、とばかりにお酒といっしょにいただくおつまみがとてもおいしそう。
たとえば2巻に収録されている「みっちゃん台湾飯で残暑を乗り切る」の回では、残暑厳しい9月乗り切るため、みっちゃんは会社帰りに台湾飯屋に行くのだが、そこで出るトンポーローが肉厚プルプル! そんなトンポーローをほおばり、ジュワーと口にあふれる脂のうまさをライトな台湾ビールで流し込む姿はたまらない!
ほかにも赤ワインがとまらなくなるローストビーフなどお酒に合いすぎる肉料理が盛りだくさんだ!
暑苦しさを乗り超えてこそ、至高の肉に到達する!
『ネイチャージモン』 寺門ジモン(作) 刃森尊(画)
『ネイチャージモン』第1巻
寺門ジモン(作) 刃森尊(画) 講談社 ¥562+税
(2008年9月5日発売)
芸人界でもたくさんのグルメ自慢が登場しているが、その“はしり”はなんといってもこの人。 ご存じダチョウ倶楽部の説教担当(!?)「ネイチャージモン」こと寺門ジモンが「ヤングマガジン」編集部のコマツに大自然と一体化することのすばらしさを教えてくれるマンガ『ネイチャージモン』には、肉に対する愛情とこだわりが異常なネイチャーが関東一と太鼓判を押す「スタミナ苑」を紹介する「神の焼き肉を喰う男」がある。
「神の焼き肉」という名に恥じないすばらしい肉が出るのはもちろんだが、最高のコンディションで挑むために6時間運動をしたり、「究極のネイチャー焼き」を披露するネイチャーのこだわりに沿って食べる焼き肉は、見ているだけでヨダレが止まらない!
『破壊王ノリタカ』の刃森尊の巧みな筆致がネイチャーのこだわりを、さらに食欲をそそるものへと昇華させるのだ!
女だらけのハンバーグ工場で何が起こったか?
『絶望ハンバーグ工場』 松井雪子
『絶望ハンバーグ工場』
松井雪子 文藝春秋 ¥971+税
(1997年1月発売)
934人の女子工員たちが自らの手でこねて作る「手ごねハンバーグ」の老舗ハンバーグメーカー・マルヤマハンバーグに勤務する雲井祐子が、ハンバーグのなかにネームプレートを混入したことで自殺を考えるようになる。
幼いころから好きだったマルヤマハンバーグを食べてから死にたいと望む祐子が、倉庫で出会った「阿部」さんと不思議な関係になってしまうくだりがなんとも生々しい。
整然と並んだ従業員が一心不乱に肉をこねる様子と、コマのなかに反響するかのように描きこまれた「こねこね」がめまいさえ引き起こしそうなほどシュールなマンガ。
異物混入食品だけど、そこから恋に発展するほどセクシーなハンバーグについつい魅了されてしまうのだ。
……おや?
この流れ、これまでもラーメンやカレーで見たことがあるぞ!?
……はっ!? まさか……
そうなんです!出ちゃったんです!
『このマンガがすごい!Comics 肉大好き!』
久住昌之、水沢悦子、うえやまとち、東村アキコ、野中英次、
泉昌之、迂闊、寺門ジモン、刃森尊、ラズウェル細木、市川ヒロシ、
松井雪子、富沢順、ハーロマ、具光然 宝島社 ¥590+税
(2016年5月23日発売)
「このマンガがすごい!」がお送りする「食」がテーマのアンソロジーマンガも『ラーメン大好き!』、『カレー大好き!』に続く第3弾。
今回お送りするのは、上に挙げた珠玉の肉マンガを含む11タイトル。
おなじみ久住昌之×水沢悦子コンビの『花のズボラ飯』をはじめラズウェル細木や泉昌之といったグルメマンガのオーソリティから自らも料理好きを公言する新鋭・市川ヒロシや実力派・富沢順まで綺羅星のごとき作家陣がいずれ劣らぬおいしいマンガがそろってます。
肉の日は、お肉を食べながらマンガを読みましょう!