話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
今回紹介するのは『このマンガがすごい! comics 13月の悲劇 美内すずえセレクション 白の書』
『このマンガがすごい! comics 13月の悲劇 美内すずえセレクション 白の書』
美内すずえ 宝島社 ¥1500+税
(2018年1月18日発売)
昨年発売され、大きな反響を巻き起こした『妖鬼妃伝 美内すずえセレクション 黒の書』に続く第2弾が発売された。
表題作『13月の悲劇』は、1971年に「別冊マーガレット」で2号にわたって連載された作品。
ある少女が入学した修道院学園は、魔女の学校だったというもので、ヨーロッパの寄宿学校が舞台で、少女はじつは有名俳優の隠し子で――といった設定こそ当時の少女マンガの王道ながら、魔女、黒ミサ、黒魔術、魔法陣、火あぶり……といったゴシックロマンな世界観が魅惑的。
美内マンガのキモである、過酷な運命に自力で立ち向かう勇敢で情熱的なヒロイン像もデビュー5年目の本作にして完成された感がある。ほかにも冒険あり、ロマンスあり、美内マンガのエッセンスがギュッと詰まった一作だ。