人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。
今回お話をうかがったのは、尾崎衣良先生!
古賀円、福間千代、千鳥佐和子は、夜な夜なおしゃべりをするほどの仲良し。
そんな彼女たちの話題は……「仕事」の話でもなく、「将来」の話でもなく、やっぱり「恋愛」トーク!
さらに、恋愛観が異なる3人は、そろいもそろって「ダメ男」との「ダメ恋」エピソードばかりで……!?
今回は、「このマンガがすごい!2017」のオンナ編で第4位にランクインした、著者の尾崎衣良先生にインタビュー!
『ダメ恋』を読んだ男性読者さんからの反響や、先月発売された最新第3巻のみどころ、そして漫画家を目指すきっかけとなったマンガなどをおうかがいしました!
<インタビュー第1弾も要チェック!>
【インタビュー】尾崎衣良『深夜のダメ恋図鑑』 世にあふれる「ダメ男」を女たちがこっぱみじんにぶった斬る! 「ダメ男」のモデルは実在する……!?
わかりやすく男を悪者に描いていることは申し訳ない気持ちも(笑)
――本作は2013年から発表され、第1巻が出るまで間がありましたが、当初は単行本化の予定はなかったのでしょうか。
尾崎 単行本化の予定はなかったし、私もコミックスになると思ってませんでした。単行本化の話が出た時も「こういうのはあんまり売れないかも」みたいなことをいわれていたくらいでしたし。前述の担当編集さんや、『ダメ恋』をおもしろいといってくれる編集さん方のお力添えのおかげだと思います。
――単行本化され、迫力満点のキメゼリフなどがツイッターでも拡散されましたが、その人気の爆発ぶりには何かきっかけがあったのでしょうか?
尾崎 「ツイッターで拡散されて」ってのをよく聞くんですけど、じつは私、ツイッターをやっていなくて。このへんのことは人づてに聞いただけで全然わかってなくて……ただただ感謝するのみでございます。
――これまで特に反響の大きかったエピソードは?
尾崎 コミックスの表紙に使ってもらったり、いろんなところでカットを使ってもらっている佐和子の「ソイツの土下座にどれほどの価値が…?」と、円の「オマエとの結婚って地獄かよ」のエピソードでしょうか。
――どちらも「男性上位」の考え方を一蹴するキメゼリフでしたね。読者からはどんな感想が寄せられていますか?
尾崎 「おもしろかった」「元気が出た」なんて感想をもらえた時はすごくうれしいです。笑ってもらえるのが一番うれしい。さすがに今のところ、マンガと同じ返しをしてやったという猛者はいらっしゃいませんね。
――男性読者からの感想もありますか?
尾崎 「おもしろかったけど、こんな男にならないように気をつけます」みたいなのが多いです。男性全般を悪く描きたいわけではなく、「出会った男がこんなダメ男でした(笑)」というところを描きたいだけなので、男性にも笑って読んでいただけたらなんだか安心します。
―そもそも「ダメ男図鑑」ではなく、「ダメ恋図鑑」とした意図は?
尾崎 描き始めた当初は「ダメ恋」で描いていたつもりだったんです。だから最初の大学生編は女の子も悪い部分があったんですけども……。ただ、長く描いているうちに、「いやコレお前(女)も悪いじゃん!」ってなると、女子が男子にツッコミづらくなるので、最近は女子がツッコミやすいように、マンガとしてわかりやすく男を悪く描いてしまっています。その点は男性に対して、申し訳ない気持ちもあるんです。
――最新第3巻の見どころや、おすすめポイントを教えてください。
尾崎 佐和子が諒くんと別れます! そして、千代が八代くんとついに……。普通にネタバレですが、コミックスのカバーにもそう書いてあるのでまあいいか(笑)。
――千代と八代くんのこれからの進展は?
尾崎 この2人はいい具合に進めていきたいなあと思っています。もし別れるようなことがあったら確実に千代が悪いですよね。それだと後味悪いので、2人にはいろいろありつつもほっこりカップルでいてほしいです。
――美人なのに男運がないのか、ダメ男に引導をわたしてばかりの円さんに恋人ができる予定はありますか?
尾崎 円にも彼氏をつくってあげたいけど、どうしようかな~~~と悩み中です。
――「ダメ恋」の大学生版も、また番外編などで描いてほしいです。3人の親戚設定などでどうでしょう? 高校生版、中学生版もあったら世代別のお悩みがあっておもしろいのでは!?
尾崎 大学生バージョンはまた描いてみたいです。高校生や中学生は、ちょっともう遠く離れすぎちゃって描ける気がしないです……。最近読んだマンガで眉月じゅん先生の『恋は雨上がりのように』がすごく気に入ってるんですが、長いこと忘れていたキュンとする感じを思い出しました。ひとつひとつ丁寧に描かれている感じも素敵だなあと思いました。このセンスはうらやましいです。