つい先日、2015年を迎えた気がしていたのに、あっという間にもう2月もなかば。
マンガ界では今年もいきなり「名作の予感」のする作品が多数登場しているようで、今回は群を抜いたポイントを獲得した作品が複数ランクイン。しかもそのどれもが「第1巻」なのです!
新進気鋭のニューフェイスから、ヒット作連発のベテランまで、とにかく要注目なランキングになりました。
今年のマンガのトレンドを占ううえでも、絶対に見逃せないランキングですよ! 必見!!
(2015年1月1日~1月31日発売作品を集計)
第1位(742ポイント)
『ダンジョン飯』 九井諒子
『ダンジョン飯』
九井諒子 KADOKAWA
ダンジョン(地下迷宮)のクエスト中に全財産を失った戦士ライオスは、取り残された妹を助けるため、エルフメイジのマルシルやハーフフットのチルチャック、ドワーフのセンシとパーティを編成し、ダンジョンに巣食うモンスターを料理しながら冒険の旅を送る……。
ファンタジー世界の生物を、きわめて現実的な調理方法で料理するという、ファンタジーとグルメの大胆なミックスが大きな話題となり、品切れ多発がネット上でも多数報告されていた超話題作。「このマンガがすごい!WEB」始まって以来、ダントツのポイントを獲得し、堂々の第1位です。
オススメボイス!
■食べる、そう決めただけで、恐ろしいモンスターは手ごわい食材に変換されてしまう不思議。食のマンガにカテゴライズできるけれど、生活感をまじめに突きつめすぎたRPG作品と言っても過言ではない(KT./マンガと装丁の紹介ブログ『良いコミック』管理人)
■斬新な発想を軽妙に表現する作者の力に敬服。調理の過程もそうだが全般にマンガとしてのリズムが生理的に気持ちよいのが本当にすごい。ぜいたく体験!(川原和子/マンガエッセイスト)
■とにかくすごい。好きか嫌いかで分けたら好みとは遠い作品なのに、なんか読んじゃう。楽しんじゃう。モンスターに対するこの説得力、癖になる!(りる/「空夢ノート+」管理人)
■絶対食べられない! と思っていた「動く鎧」。まさかあんなおいしそうな料理になるなんて……! ますます九井諒子作品に夢中になりました(倉持佳代子/京都国際マンガミュージアム研究員)
■ファンタジーRPGを題材に「まだこういう切り口で楽しめたか!」というニッチな作品かと思いきや、意外と純粋に好奇心が刺激される。ときおり出てくる、解剖学的なモンスター考察もツボ(大黒秀一/エンタメ系ライター)
■RPGの世界観を独自に解釈する方法論は、JICC出版局(現・宝島社)『ウィザードリィのすべて』を読んで育ったRPG好きにはたまらない。同社の雑誌「ファミコン必勝本」内のコーナー「ウィザードリィ友の会」、小説『隣り合わせの灰と青春』、石垣環版コミカライズに胸を躍らせた世代は必読ともいえる(加山竜司/フリーライター)
■強者のみが食える、それがダンジョン飯。動く鎧すら、あの手この手で食べてみせるのは見事。生きるためにおいしく喰らうのだ!(ふな/ブログ「はてなで語る」管理人)
■ユニークさで、まず九井作品をあげた。ファンタジーにこの味つけはおもしろい(辻真先/アニメ脚本家・ミステリ作家)
■ここ数年で一番おもしろいマンガです!! 早くも次回の「このマンガがすごい」1位候補!(八尾美映子/三省堂書店神保町本店コミック担当)
■『ダンジョン飯』は1話目を読んだ時から絶対仕掛ける!! と決めていたタイトル。全国的に売り切れ店続出!やっぱりすごかった!(福丸泰幸/喜久屋書店漫画館京都店店長)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
「ロングレビュー」でのご紹介は、コチラ!!
第2位(264ポイント)
『ゴールデンカムイ』 野田サトル
『ゴールデンカムイ』
野田サトル 集英社
日露戦争という死線を潜り抜け、「不死身の杉元」という異名を持った元軍人・杉元佐一。隠されたアイヌの埋蔵金を追う彼は、父の敵を追うアイヌの少女・アシリパと出会い、財宝をめぐるトラブルに立ち向かいながら、北の大地の過酷な自然を生き抜いていく。
こちらも売り切れ書店が続出の超話題作。惜しくもランキング第1位はのがしましたが、通常の月であればダントツでトップだったかも………!? という高得点を獲得しました。
オススメボイス!
■本格冒険活劇な本筋もワクワクドキドキしっぱなしですが、それより何よりアシリパさんにメロメロです。年始にいきなり本年度ヒロイン大賞1位候補降臨(杉山陽一/「COMIC ZIN」秋葉原店 コミックバイヤー)
■厚みのあるアクションになりそうだ。舞台も時代も人物もいい(辻 真先/アニメ脚本家・ミステリ作家)
■迫力あるバイオレンスたっぷりなアクションも魅力だが、杉本とアシリパの2人のやりとりがほほえましくて好き。杉本がアイヌ少女のアシリパを「アシリパさん」と「さん」付けで呼び、子ども扱いせずに敬意をもって接してるところがいい(芝原克也/日本出版販売コミックチーム係長)
■明治を舞台に繰り広げられる一大浪漫巨編。あらたな傑作の誕生に刮目せよ!(浜波孝至/BOOKSなかだ魚津店営業担当)
■正確には料理漫画ではないかもしれません。ですが、お話も料理もすごい! 退役軍人&アイヌの美少女vs脱獄囚vsヒグマvs現役軍人という構図もわくわくさせるし、人の肌に彫り込まれた地図というアイデアも見事。そして何より、サバイバルシーン満載で、生きることは食べることというのを、戦いの合間に入る食事シーンで強烈に思い起こさせてくれます(杉村啓/料理マンガ研究家)
■雪国でのサバイバルには絶対挑戦したくないものの、思わずこれは役立つ! と感じさせられてしまう。死刑囚探しも楽しみ(山田幸彦/ライター)
■刺青人皮に隠された黄金の秘密を追う、というメイン部分もさることながら、いろいろ食ってるのがじつにおいしそうなのです(soorce/オヤジ漫画系ブロガー)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第3位(146ポイント)
『でぃす×こみ』 ゆうきまさみ
『でぃす×こみ』
ゆうきまさみ 小学館
漫画家を目指す女子高生・渡瀬かおるは、受賞したマンガ賞の授賞式に出席したところ、自分が描いた覚えのない作品が受賞していたことを知る。しかもその内容はBL風マンガで……!?
本人も知らずに才能を開花させた兄と、その才能が欲しいのにイマイチ……という妹の織りなす漫画家コメディを、あのゆうきまさみが描いて話題になりました。ほかの人気漫画家との奇跡のコラボも話題に!!
オススメボイス!
■えっ!! ゆうきまさみ先生がBLを!? で、話題の作品。BLだったり漫画家ものだったり、今流行りのテーマを詰め込んだ感がありますが、それをテンポよくおもしろく読ませる作品として仕上がっているのはゆうき先生のバランス感覚のよさだと実感させてくれます(ゴロー/AV男優)
■まさかのゆうき先生の「漫画家マンガ」。最近の漫画家志望者へのちょっとした皮肉(?)要素もあったり、非常に楽しめます(稀見理都/漫画家インタビュアー)
■暴走しがちな妹と飄々とした兄貴のコンビがおもしろい。テーマがマンガづくりなのでマンガの描き方に興味がある人にもぜひ読んでほしい(太田和成/「あゆみBOOKS」五反田店 コミック担当)
■ゆうきまさみがいろいろな意味で現代風に挑戦している作品(浜波孝至/「BOOKSなかだ」魚津店 営業担当)
■BLマンガシーンを豪華作家さんたちに着色してもらってそのままコミックスにしちゃいましょう! という企画そのものが、もうすごいです(りる/「空夢ノート+」管理人)
■まずカラー原稿が再現された単行本がすばらしい! 内容も久しぶりにゆうきまさみの「ほんわかコメディ」が堪能できてうれしいかぎり(大黒秀一/エンタメ系ライター)
■展開が読めない。どうなるか本当に見当もつかない。楽しみ(紙屋高雪/ブログ「紙屋研究所」管理人)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!