『POPEE THE PERFORMER ポピー ザ ぱフォーマー』
増田龍治(作) 増田若子(画) 復刊ドットコム \2,600+税
(2015年4月24日発売)
ウサ耳帽をかぶった17歳の少年、ポピーはサーカス団の見習いクラウン。
仮面をつけた助手の“ケダモノ”(オオカミの子どもという説もあり)とともに、訓練に励む毎日だ。空中ブランコに綱渡り、はたまた剣を飲みこむ危険な芸にも挑戦!
そんな彼らの日常を描いたシュールときどきキケンかつブラックすぎ、そして意外やダイタンにお下品だったりも。
ときにすっとぼけ、ときにガックシ……う~ん、要は全編にわたって「なんじゃそりゃ」がひしめく、縦横無尽に謎めいた作品群としか言いようがない!?
本作は2000年より『キッズステーション』でテレビ放映されたCGアニメを原作として誕生したマンガ。
いやぁ考えてみると、子ども向けアニメでこんなに毒のある作品を放送できたとは驚きだ(今なら無理かも?)。
アニメの人気を受けて2002年にマンガ版が発売されるも、長らく絶版に。
「幻のお宝コミック」と噂されて10余年、熱烈なファンのラブコールに応えて復刊されたのはうれしいかぎり。
アニメの誕生秘話や設定資料集、そして復刊にともなって描きおろしイラストとメッセージも追加収録されている。
ちなみにアニメの『POPEE the ぱフォーマー』はDVDボックスも発売中。唯一無二のPOPEEワールドにとりつかれた人は、マンガもアニメも必携だ!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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