『GIRLS BE…』第4巻
玉越博幸 日本文芸社 \571+税
(2015年6月19日発売)
R35世代の男子にとって、ある種の甘酸っぱい……いや、ほろ苦い……いや、栗の花臭い郷愁を誘うタイトル『BOYS BE…』。へなちょこ少年が、それまでなんとも思っていなかった少女を恋愛対象かつ性的対象として強烈に意識し、ずっこけながらもハッピーエンドに持ちこむ展開に、なんともいえないドギマギを味わったものだ。
そんな『BOYS BE…』終了から18年。玉越博幸が満を持して放ったのが『GIRLS BE…』である。
舞台は男性と女性の比率が1:9になってしまった近未来の日本。ガテン系の職場には女子があふれ、風俗では男子がサービスする側にまわっている。
あまりにも男女のバランスが悪すぎて、なかなか恋人が作れない女子は常にもんもんとしており、かわいい男の子を見かけるだけでジュン、ジュワ~。
そんな状況で描かれるドタバタの恋愛模様が本家『BOYS BE…』同様オムニバス形式で描かれる。
掲載紙が「少年マガジン」から「漫画ゴラク」へと移り、読者層も少年から中年に移り変わったことで、当時の寸止め感は完全撤廃。合体でハッピーエンドがお約束となった。
すでに連載は終了しており、コミックスも最新4巻で完結。
通常営業のエロコメ展開が続くかと思いきや、最終回が超ぶっとんでいる。
ヒロインは第1話に登場したアスカ。彼女が働く町工場に入ってきた新入社員の美少年・ユウキと結ばれたその後が描かれるのだが、物語が進むにつれ、世界観を根底から揺るがす驚愕の事態に陥る。
まさか『GIRLS BE…』がセカイ系だったとは……!?
何が起こったのか気になって仕方がない諸兄は、ぜひともご一読くださいませ。
<文・奈良崎コロスケ>
マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。中野ブロードウェイの真横に在住する中央線サブカル糞中年。ガイドワークス「パチンコオリジナル実戦術」にて連載中の「パチンコ漫画家列伝」。発売中の8月号では、ヤンサン末期に活躍していたニシムラマコジ先生に登場いただきました。