『ディメンションW』第8巻
岩原裕二 スクウェア・エニックス ¥571+税
(2015年7月10日発売)
デビューから約20年、流麗な描線と卓抜なデザインセンスで、魅力的なSF世界を描き続ける岩原裕二。目下その最新作である『ディメンションW』も、著者の最長連載記録を塗り替え、今なお、勢いのとどまるところを知らない快作である。
祝、TVアニメ化決定。
物語の舞台となるのは、コイルと呼ばれる道具を通じて、別次元「W」から無尽蔵のエネルギーを取り出すことのできるシステムが発明され、驚異的な発展を遂げた世界。
すご腕の不正コイル回収屋であるマブチ・キョーマと、そんな彼に拾われた、規格外の技術で作られたアンドロイド少女のミラを主人公に、コイルに秘められた謎をめぐる、熾烈な戦いが描かれる。
現在は、単行本5巻からスタートした、イースター島での激戦が継続中。
キョーマは忘れていた記憶の一部を取り戻し、次第に5年前に起こった史上最大の次元障害事故の真相が明らかになっていく。そのかたわらで、世界の裏側で暗躍する恐るべき保険組合・ユドスの刺客と、島に降り立った回収屋たちの衝突も、激しさを増す。
そして、戦いのなかで傷つき、倒れる者が……。
急展開の予感を、見逃すことなかれ!
<文・後川永>
ライター。主な寄稿先に「月刊Newtype」(KADOKAWA)、「Febri」(一迅社)など。
Twitter:@atokawa_ei