このマンガがすごい!WEB

一覧へ戻る

『バツコイ』第1巻 月子 【日刊マンガガイド】

2015/10/03


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは『バツコイ』


Batsukoi_s01

『バツコイ』第1巻
月子 講談社 ¥581+税
(2015年9月7日発売)


美留町カホリ(28歳)は毎日が楽しくてたまらない美人弁護士。
仕事は忙しいが、がんばるほど力がつくのを実感する伸び盛り。困っている依頼人に感謝され、やりがい充分だ。

めっちゃ働いたぶん、オフは自分へのご褒美もたっぷりと。ちょっといいディナー、マッサージにエステ、ブランド服……。
まさに人生を謳歌しまくっているカホリは「仕事が順調なら男なんていらない」と豪語する。そのココロは……ズバリ、甘ったれでワガママな男にふり回されたくない。
恋愛の深みにハマらずに、おいしいトコだけすくってライトに楽しむのがカホリの見つけた結論のはずだったが!?

一夜で終わるはずのお相手に惚れこまれ……しかも彼は離婚交渉中のヤバい物件。だというのに、それでもカホリとつきあいたいと抜かす、ある意味ピュアな男をうっかりカワイイと思ってしまったカホリ。
これ以上関わりたくないと思いながらも、その本心は……。カホリの身もフタもないド正直なもの言いが痛快、スピーディーな展開に引きこまれる!

しかし、あらためてこの著者の作品群をふり返ると、いかに一筋縄ではいかない描き手かがわかる。
百合ちっくな『彼女とカメラと彼女の季節』、風変わりな中2カップルもの『つるつるとザラザラの間』、吸血鬼の養護教諭×美少年の禁断のラブコメ『僕の血でよければ』、男子校のひそかなトキメキを描く『トコナツ』などなど。

一見、直球のキャリアガールものに見える本作も、読み手の想像もつかない方向へ転がっていきそうな予感大である。



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」

単行本情報

  • 『つるつるとザラザラの間』第… Amazonで購入
  • 『僕の血でよければ』第1巻 Amazonで購入
  • 『彼女とカメラと彼女の季節』… Amazonで購入

関連するオススメ記事!

アクセスランキング

3月の「このマンガがすごい!」WEBランキング