365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
12月8日はジョルジュ・メリエスの誕生日。本日読むべきマンガは……。
『ジョジョの奇妙な冒険』第38巻
荒木飛呂彦 集英社 ¥390+税
本日12月8日は、「世界初の職業映画監督」とも言われる、ジョルジュ・メリエスの誕生日。
その名前にピンとこない人も、ロケットを撃ちこまれたお月さまの顔がゆがむレトロSF映画『月世界旅行』の監督、と言えばおわかりいただけるだろうか。
その『月世界旅行』は世界初の特殊撮影を使ったSF映画でもあるのだが、そもそもストーリー仕立てになっていることやカット割りがあること自体が当時としては革命的でもあったというのだから、ジョルジュ・メリエスはまさに「映画の父」と呼ばれるにふさわしい人物である。
なお『月世界旅行』は現在、すでに著作権が切れた作品となっているため、合法的にインターネット上などで鑑賞可能。
14分の作品なので、「よくよく考えたらちゃんと全部見たことなかった!」という人も、この機会にぜひどうぞ。
さて、そんなワケで本日は紹介するマンガも「月」に関するものでいきたいと思う。
となるとやっぱ『DEATH NOTE』? それとも展開がいよいよ佳境に差しかかっている『暗殺教室』? と、いろいろ悩ましい(「ジャンプ」マンガしか選択肢にないのかよ!という点は気にしないでいただきたい)のだが、『月世界旅行』へのリスペクトもかんがみると、ここは「スタンドも月までブッ飛ぶこの衝撃」の名言で知られる『ジョジョの奇妙な冒険Part4 ダイヤモンドは砕けない』をチョイスしておきたい。
なにせ、めでたく第4部のアニメ化も決定したことですしね!
なお、以前にも書いたとおり、この「きょうのマンガ」のコーナーは全世界の人が『ジョジョ』を読んでいるという前提で勝手に書き進めているのだが、いちおうおさらいしておくと「スタンドも月まで~」のセリフが飛び出すのはジャンプコミックス第38巻。
広瀬康一くんが山岸由花子と「チューしちゃった」と、恋愛相談するくだりの仗助のリアクションがそれ(なお、億泰はショックのあまり号泣)。
展開的には吉良吉影という少年マンガ史に残ると言っても過言ではない異常なラスボスの初登場エピソードのあとで、閑話休題的なサブエピソード……かと思いきや、これが吉良吉影の逃亡と密接に絡んでくるという、ジョジョ4部ならではのおもしろさが詰まっているあたりだった。
アニメの放送は2016年4月からともう少し先ですが、その前にあらためて読み返しておくのもいいんじゃあないでしょうか。
<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。