『私たちには壁がある。』第1巻
築島治 講談社 \463
(2014年6月13日発売)
「デザート」に、新たなるナルシスト&オレ様モテ系イケメン、キタ―――――\(゚∀゚)/―――――!!!!!
彼の名は怜太。主人公・真琴の部屋に、26cmの隙間を飛び越え、ベランダから入ってくる幼なじみ。
そんな怜太が放つ本作最初の台詞は、「そんなに彼氏が欲しいならさ、俺が付き合ってやってもいいけど」。
だが、腕組み&仁王立ち、あからさまに上から目線の怜太に、真琴は「は?」と呆れるばかり。家族か弟かという存在の幼なじみ・怜太と付き合うなんてムリ、と冷ややかにあしらう。
お隣さんで幼いころからの付き合いである2人には、そんな“近すぎる”関係こそ壁……なんだけれど、つれない真琴にアピール連発の怜太に、読み手のハートは射貫かれまくり!
しかも怜太クン、女子憧れの“壁ドン”を連発!!
(掲載誌「デザート」の2014年5月号では、本作にあわせて全掲載作品に“壁ドン”シーンが描かれる「春の壁ドン祭り!!!」が開催されたということからも、その読者支持率がわかるというもの)
壁際での「俺の何が不満なの? 他の男に負けてるとこ何かある?」なんて決めゼリフもぬかりないので、こっちのハートがもちません!!
もちろん真琴だって、そんな怜太のことがまったく気にならないわけじゃないはず。
でも真琴には、怜太と付き合えない“本当の理由”があって……。
なんだかんだで“なんちゃって彼氏彼女”を始める2人の行く手に、本当の恋は待っているのか!?
王道の設定と、軽快なテンポが小気味いい、さわやかラブコメディです。
<文・藤咲茂(東京03製作)>
美酒佳肴、マンガ、ガンダム、日本国と陸海空自衛隊をこよなく愛し、なんとなくそれらをメシのタネにふらふらと生きる編集ライター。