日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『ももいろ人魚』
『ももいろ人魚』第2巻
曙はる 講談社 ¥429+税
(2015年12月11日発売)
だれもが驚嘆するほどの美少女・ルン。
エロいことに興味津々で、「おセックスしよ!」と大学生のリクに日々すりよってくる。うらやましい。
しかし、彼女は人魚。エロい気分になると、足が魚に戻ってしまう。
どんなにセックスに興味を持ったって、魚の下半身ではできない。
「リクだけ発情するの ルンが無心でいれば問題ナシ」。
「セックス」という行動にだけ興味があり、その意味はあまり考えていなかった彼女。まあ人魚が卵産んで精子かけるだけ、という交尾なのと比較すれば、そりゃわかるけど。
ルンはリクと暮らすうちに、徐々に彼に対しての好意が強くなる。
しだいに、発情して足がしっぽに戻ってニュルンするタイミングが増えてしまう。
さらには「交尾できれば女の子に、ほっておけばオスになる」という事実を知り、焦り始める。
これは2人でがんばるしかない、おセックス千本ノック。だができない、ニュルン。
2巻で天文同好会の先輩、長目アイが出てきてからが物語の真骨頂。
彼女は処女であることをルンに話す。ルンは驚く。
「人間でもおセックスしない人いるんだ」
ルンは長目先輩と話すうちに、セックスはお遊戯ではなく、感情のともなうものだと初めて悟る。
ヤるかヤらないかのエロコメディから、「恋愛」「個性のペース」の話へと一気に展開しはじめる。
ルンはセックスができない。彼女の魚の下半身は、心と体がまだ育ちきっていないことの象徴にも思えてくる。
でも2巻のラスト、2人はセックスはできないが、裸でぎゅっと抱き合った。愛が確認できるのなら、それでいいんじゃないの?
人魚の生態的にはセックスできたらゴールかもしれない。しかし2人の恋愛は、セックスがゴールではない。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」