365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
1月25日は史上最大のダイヤモンド原石が発見された日。本日読むべきマンガは……。
『ADAMAS』第1巻
皆川亮二(著) 岡エリ(脚) 講談社 ¥590+税
「世界最大のダイヤモンド」は、タイ王国・ラーマ9世が治世50周年に寄贈された545.67カラット(109.13グラム) の「ザ・ゴールデン・ジュビリー」だ。
もちろんこれは研磨ずみのもので、原石は755カラット(151グラム)だったそうな。
じつは、これよりも大きなダイヤモンド原石というものがある。それは1905年1月26日に南アフリカのカリナン鉱山で発見された通称「カリナン」で、質量はなんと3106カラット(621.2グラム)!
イギリス国王・エドワード7世の66歳の誕生日に贈呈されたカリナンからは9つの大きなダイヤと96個の小さなダイヤが切り出された。
9つの大ダイヤにはそれぞれカリナン1世から9世の名が与えられ、カリナン1世と2世はそれぞれ世界最大のダイヤモンドベスト10に数えられるという。
世界中の女性が憧れる「ダイヤモンド」が超能力を引き出す“カギ”として登場するのが、皆川亮二が「イブニング」で連載していた『ADAMAS』である。
宝石の声を聴き、宝石を通じてその持ち主さえもコントロールしてしまう特殊能力を持つ“宝石使い(ジュエルマスター)”の流崎麗華(りゅうざき・れいか)は、行方不明となった父を捜しながらダイヤモンド市場に混乱を招こうと企む秘密結社・シャニに立ち向かう。
守護石であるダイヤモンドを埋めこんだ特製のカイザーナックルを駆使して戦う美しき宝石使い・レイカの姿には、ダイヤモンドの名前の由来である“ADAMAS”すなわち「(何事にも)屈しない」「征服できない」という形容がピタリとあてはまる。
物語も、レイカ対シャニの抗争が中心になると思いきや、ダイヤモンド市場にまつわる陰謀をめぐり敵・味方が二転三転する息をもつかせぬ展開。
全11巻、あっという間に完結まで読破できてしまう勢いを秘めたマンガである。
<文・富士見大>
編集・ライター。『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場用パンフレット、『月刊ヒーローズ』(ヒーローズ)ほかに参加する。『別冊宝島2394 仮面ライダー』や「仮面ライダードライブ公式完全読本」もやってます。