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『魔法自家発電』谷和野インタビュー ねぇ、私にも魔法をかけて? イノセントな瞳で見つめて描く、ハートフルな人々と世界

2016/02/15


人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。

今回お話をうかがったのは、谷和野先生!

2014年、デビューコミックス『いちばんいいスカート』で注目を集めた谷和野先生。
著者が紡ぎだす、少し不思議で温かい物語は、あっという間に感度の高いマンガファンたちのハートを鷲掴みにし、昨年発売された最新短編集『魔法自家発電』は、『このマンガがすごい!2016』でオンナ編12位にランクイン。
まさに今後の期待値も高い谷先生に、この独特な世界観の秘密に迫った。

谷和野

第66回 小学館 新人コミック大賞、佳作を受賞しデビュー。自身初の著書となる『いちばんいいスカート』(2014年)は『このマンガがすごい!2015』オンナ編で、26位にランクインした。
月刊flowersで昨年8月から連載を開始した「はてなデパート」が、4月8日(金)にコミックス発売決定!

『魔法自家発電』試し読みはコチラ!
http://sol-comics.shogakukan.co.jp/solc_dtl?isbn=9784091374370


谷和野流の味つけで、ファンタジックな“ボーイ・ミーツ・ガール”に

——「このマンガがすごい!WEB」10月のランキング」でも1位に輝き、注目度の高かった本作。どの話もファンタジックな魅力がつまっています。
たとえば表題作の「魔法自家発電」。通学中の女子高生が突然リンゴを落とすシーンがありますが、これってなかなかないシチュエーションですよね、天使の姿をしているとはいえ。

 自分でもつっこみながら描いたのですが、編集さんも何もおっしゃらなかったので、「あ、アリなんだ」と思いまして(笑)。そのまま描きました。

2人の出会いはガラスの靴……ならぬリンゴ! 現代女子高生のバッグからこんなものが転がり落ちるのも谷ワールドならでは。

2人の出会いはガラスの靴……ならぬリンゴ! 現代女子高生のバッグからこんなものが転がり落ちるのも谷ワールドならでは。

——これが違和感なく読めてしまうのが、やはり谷先生ならではの独特のリアリティですね。ファンタジックな作品、または要素を描くうえで、気をつけていることはありますか?

 ストーリーを考えるうえで気をつけていることは、読んだ人をちょっと幸せな気分にすることでしょうか。話にもよりますが……。この話もそうですが、できるだけハッピーエンドにしようと心がけてはいます。

——では、いつもお話はどのように、着想を得ているのですか?

 描きたい絵がきっかけになることは多いです。思い浮かんだ風景とか状況が描きたいなーという気持ちはあるんですが、たいていはストーリーにはなっていなくて。あとは編集さんに監督してもらいながらマンガの形にします。

担当 「魔法自家発電」の時は「美男美女の恋愛話を描いてみたら?」という話をしたんです。そうしたらこういうキャラクターがでてきて驚きました(笑)。

——「美男美女の恋愛話」というオーダーを受けて、先生のなかでどういった変換をしてこのようなお話に?

 「美男美女」といわれても、マンガのなかとはいえ、そんな器量よしが偶然集まることもないだろうと思いまして……。なので女の子のほうは幻覚にしました。

——作中では自分のことを「みにくい」と言っている男子高校生ですが……正直、この「けもの」がとてもかわいいです!

 そう思っていただけたならよかったです。あんまり気持ち悪くしたら、みんな読む気が起きなさそうだと思って。

自分はみにくいと嘆きながら日々をすごす「けもの」の男子高校生。しかし、じつは……?

自分はみにくいと嘆きながら日々をすごす「けもの」の男子高校生。しかし、じつは……?

——「魔法自家発電」というタイトルも印象的です。このタイトルにいたった理由などはあるのでしょうか?

 そういう内容(の話)だと思ったからです。

単行本情報

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