日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『灼熱カバディ』
『灼熱カバディ』第1巻
武蔵野創 小学館 ¥552+税
(2016年2月12日発売)
……カバディカバディカバディカバディカバディ……
……カバディカバディカバディカバディカバディ……
なんて大の男が叫びながらやってるなんかヘンなスポーツ、「カバディ」。
おそらくネット上の「ネタ」としての知名度は抜群ながらも、その実態を知るものはけっして多くないだろう。
本作『灼熱カバディ』は、そんな「ネタ」を「ガチ」で取りあげたマンガである。
……カバディカバディカバディカバディカバディ……
「某動画投稿サイト」で「人気生主」を目指していたはずの主人公が、ふとしたきっかけで「ネタスポーツ」であるはずのカバディをやることに。
一見、「カバディカバディ」と言いながらやるヘンな鬼ごっこ……しかしそこには、ひとりの力が試される個人技と、チームワークが試される団体競技、双方の戦略が求められる、知恵と力と技、人の持つすべてが試される、あまりに奥深い世界が広がっていたのだ……!!
……カバディカバディカバディカバディカバディ……
最初はバカにしていた競技、けれども全身全霊をかけてそれに打ちこむ者たちの情熱に触れ、彼らに一矢報いようと頭を振り絞るたび、いつしかその神髄に触れてみずからも虜になっていく……そんなスポ根の王道が、カバディを題材にして新たに蘇る……!
……カバディカバディカバディカバディカバディ……
『キャプテン翼』のサッカー、『スラムダンク』のバスケ、『ヒカルの碁』の囲碁、『ちはやふる』の百人一首……1作のマンガが、ひとつの競技の知名度を爆発的に押しあげた例にはこと欠かない。
あるいは本作もまた、本邦におけるカバディブームの先がけとなるかもしれない……。
……カバディカバディカバディカバディカバディ……
……カバディカバディカバディカバディカバディ……
<文・前島賢>
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas