『攻殻機動隊』第1巻
士郎正宗 講談社 971+税
本日7月18日は、アメリカの工業デザイナー、シド・ミードの誕生日。
未来的でありながら工業製品の機能美を意識したユニークなデザインを得意とするシド・ミードは、カーデザイナーとして入社したフォード社から独立して以降、カーデザインのみならず『スタートレック』や『トロン』『∀ガンダム』を始めとする映像作品に、背景や小道具、メカなどのデザインで参加。米国はもちろん、日本をはじめとする世界中にその才能を認知させた。
なかでも、人類に反逆するレプリカント(人造人間)の事件を描いたSF映画『ブレードランナー』は、彼の代表作と言われており、その後の「サイバーパンク」と呼ばれるSFジャンル全体に多大な影響を与えている。
日本のみならず海外でも評価が高いSFマンガである士郎正宗『攻殻機動隊』(講談社)も、『ブレードランナー』から影響を受けた作品のひとつだ。
卓越したサイバー技術を駆使して凶悪犯罪に立ち向かう特殊機関・公安9課(攻殻機動隊)の活躍を描いた本作は、『ブレードランナー』で見られた「アジアの様相を取り込んだ未来都市」や「人造人間に宿る自我」といった様々な要素が盛り込まれていた。
特に、1995年に制作された劇場版アニメ作品『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』などは、その影響が顕著に現れていると言えるだろう。
『ブレードランナー』と『攻殻機動隊』、偉大な2つのSF作品を見比べてみよう!
<文・一ノ瀬謹和>
涼しい部屋での読書を何よりも好む、もやし系ライター。マンガ以外では特撮ヒーロー関連の書籍で執筆することも。好きな怪獣戦艦はキングジョーグ。