『阿仁谷ユイジ短編集 イタイほどかわいい』
阿仁谷ユイジ 太田出版 \680+税
(2014年5月7日発売)
07年~14年までに各誌で発表された7編が収録されている短編集。
内容はタイトルそのまんま! 女子特有のイタい部分をひたすら抽出した作品ばかりがズラリと並んでいる。
オープニングを飾るのは昨夏の「anan」セックス特集に掲載された「セカイ系マジックワード」。わずか8ページのショートにもかかわらず、すこぶるエロい。エロさだけなら本書中ナンバー1。
2人きりになると赤ちゃん言葉を使うような、どこにでもいる同棲カップルの話なのだが、仕事でイヤなことがあってプンスカ怒りながら帰ってきた女の子が、彼氏に甘えながら合体!……ではなく自家発電を始めてしまうのだ。その表情の艶めかしいことと言ったら!
ただし“イタさ”で言ったらこれは序の口。15歳の中学生を相手に処女を捨てた26歳の教師やら、魔法少女に憧れるアラサー風俗嬢やら、その気もないのにいつも窓から部屋に侵入してくる隣人のお姉さんやら、「勘弁してくれよ……。でも、辛抱たまらん!」というビッチなヒロインが続々と登場する。
正直、同性には嫌われるタイプがほとんどだと思われるが、健康な男子たるもの、この手のイタ女に一度は振り回されてみたいものだ(だって全員、エロエロなんですもの)。「イライラを溜めるだけ溜めこんで、下半身からイッキに放電してやりたい!」とでも申しましょうか。すみません、お下劣で。