365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
6月30日は夏越の祓(なごしのはらえ)の日。本日読むべきマンガは……。
『さんすくみ』第2巻
絹田村子 小学館 ¥400+税
6月晦日、1年の折り返し日となる今日は、この半年の穢れを祓う夏越の祓(なごしのはらえ)という儀式が行われる日だ。
神道では半年に一度ある行事で、6月は夏越の祓、12月は年越しの祓などと呼ばれる。
夏越の祓では特に「茅の輪くぐり」が有名で、神社の境内にある茅(ちがや)でつくった大きな輪をご覧になったことがある方も多いだろう。
この茅の輪をくぐることで病と穢れを落とし、次の半年を無事に過ごせるよう祈願するものだ。
さて、今日ご紹介する『さんすくみ』は、同じ町内に住む神社・仏閣・教会の息子たち3人を主役にしたコメディである。
神社の息子・恭太郎、寺の息子・孝仁、教会の息子・工(たくみ)。
宗教は違えども、息はぴったりの仲よしたち。
しかし常に様々な事件を呼びこんでしまうという、かなりトラブルメーカーのきらいもある3人組なのだ。
そして第12話の夏越の祓の回でも、恭太郎を始め、3人ともがこのイベントに携わり、期待を裏切らずあれこれと大騒ぎを繰り広げてくれる。
夏越の神事のために奔走する恭太郎。
途中で孝仁に会うが、孝仁はなぜか続けざまにハプニングに見舞われてしまう。
一方、恭太郎の家である永室神社では、工が茅の輪づくりの手伝い中。
神社に戻った恭太郎と孝仁も、工といっしょに茅の輪の準備を手伝わされる始末。
ぐったりする3人。その間にも、まるで呪われてでもいるかのように孝仁のトラブルは続く。
恭太郎は、夏越の祓のために用意してあった「人形(ひとがた)」を、孝仁の災厄祓いに使おうと思い立つが――。
そして案の定、災いを祓うどころか、3人がどんどん厄介事に巻きこまれていくのはもはやお約束。
彼らの災難を笑いつつも、しっかりと神道・仏教・キリスト教の豆知識まで身についてしまうお得な(?)1冊だ。
たとえばお寺のお彼岸、教会の聖餐(せいさん)式など、それぞれの行事にちなんだネタは、笑うと同時にいろいろと感心してしまうこと間違いなし。
とりあえず今日は、お近くの神社(産土様や氏神様ならなおよし)で茅の輪をくぐってみてはいかがだろうか。 また「きょうのマンガ」をご覧になった方、くれぐれも人形の使い方を間違わないように……。
<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」