日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『新装版 パーマン』
『新装版 パーマン』 第1巻
藤子・F・不二雄 小学館 ¥429+税
(2016年6月24日発売)
2016年は『ウルトラマン』や『スタートレック』など、ビッグタイトルの50周年ということで何かと各方面が賑わしい年。
しかし、じつは『パーマン』も1966年の連載開始からちょうど50周年!
そんな記念すべき年ですから、このタイミングで新装版の『パーマン』が刊行されるのは当然といえば当然の流れでしょう。
もっとも、『パーマン』は先頃てんとう虫コミックスでの新装版が完結した『オバケのQ太郎』とは違い、特に絶版になっていたような時期はないのだが、あらためて新装版として出すからには、ただの“再販”ではありません。
まず表紙からして、ややアメコミ寄りの濃い目なテイストが目を引くが、そういった派手な部分だけでなく、原稿の印刷レベルも「過去最高品質」と謳われているのがファンとしてはうれしいところ。
さらに第1巻には、一時期は諸般の事情によって掲載が見送られてきた「怪獣探し」のエピソードも、一部表現は手直しされているもののバッチリ収録されている。
同内容のものは「藤子・F・不二雄大全集」でも読むことは可能だが、より気軽に読みやすい形で刊行されることで、濃いマニアのみならず、子どもたちやライトなファンにも読み継がれていくことを期待したい。
なお、紙の単行本は、既刊の1・2巻以降は毎月1冊のペースで刊行されるが、「待ちきれないよ!」という人は、電子書籍版ならば一挙に最終巻の第7巻まですでに入手可能となっているので、そちらをチョイスすることをオススメ。
<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。