「週刊少年チャンピオン」などの少年・男性コミック誌、「月刊プリンセス」などの少女・女性コミック誌など、男女の隔てなく、多くのマンガ雑誌を出版している秋田書店。
秋田書店といえば、マンガ好き同士なら
「それどこ連載?」
「秋田書店」
「あーなるほど」
という会話があたりまえに行われる(!?)印象的な作品群をほこる。
今回は、秋田書店から発売されたマンガのなかから、いま読むべきおすすめの作品を、マンガ感想ブログ「雑食商店街3373番地」を運営し、秋田書店作品の大ファンとしても知られるササナミさんにうかがった。
[※2013年から2014年6月に発売されたマンガ単行本のなかから選出をお願いしています]
様々な世界観が魅力!ササナミさんイチオシの3作品!
『実は私は』 増田英二
『実は私は』第7巻 増田英二
秋田書店 \419+税
(2014年7月8日)
“嘘がつけない・隠し事ができない”性質の主人公・黒峰朝陽が知ってしまった秘密。
それは意中のクラスメイト・白神葉子がじつは吸血鬼で、その秘密を守りきれなかった場合、学校を去らなければならないということ。彼女の笑顔を守るため、朝陽はその秘密だけは絶対に隠し通すことを心に決める……。
幕開けこそそんなちょっぴり切ないラブストーリーですが、蓋を開けると吸血鬼のみならず宇宙人・狼男(ふだんは女)・悪魔・未来人と秘密持ち女子だらけ。しかも、そろいもそろってだれもがどこかしら抜けていて、ツッコミとツッコまれの応酬が止まらない! 美少女が台無しになるレベルで、躊躇なく笑いをとりにくる姿勢が痛快です。
そして、ふだんがコメディ色強めなぶん、ときどきやってくるラブの波も破壊力バツグン。
今の「週刊少年チャンピオン」でもっとも勢いを感じる作品のひとつです。
『ヤコとポコ』 水沢悦子
『ヤコとポコ』第1巻 水沢悦子
秋田書店 \680+税
(2014年5月8日)
舞台は近未来感溢れるのにどことなく懐かしさも漂う、だれも見たことのないような異世界。
少女漫画家のヤコと、“てきとうモード”なネコ型ロボットアシスタントのポコの毎日が描かれる、ショートストーリーです。
“かんぺき”とはほど遠いけれど、ポコはいつでも一生懸命に仕事をして、ひたむきにヤコの幸せを願っています。失敗もするけれど、ちょっとだけ反省して、またニコニコと前を向く。そんなポコたちのシンプルな毎日に癒されます。
シンプルだからこそ、疲れた頭に沁みるマンガです。
『アンの世界地図』吟 鳥子
『アンの世界地図』 吟 鳥子
秋田書店 \429円+税
(2014年2月14日)
酒に溺れる母親の奇行に耐えかねて、徳島の祖母のもとへ向かうべく、たったひとりで東京を発ったロリータ服少女・アン。災難だらけのその道中で、アンを危機からさっそうと救い出したのは、地元の旧い家にひとりで住む、着物少女のアキでした。
奇妙な縁ではじまった2人の少女の同居生活は、清く正しくたくましい田舎暮らし。そこにはアンが知らなかった世界が待っていました。
優しく、ときに的確な厳しさを見せるアキを“私のはじめてのおかあさん”と称し、心から信頼するアンを見ていると、人の信頼関係は血縁や時間の長さだけでは計れないものだと思わされます。
アンが身に纏う煌びやかなロリータ服も含め、様々な“素敵なもの”が作中に散りばめられているので、ページをめくるごとに、宝箱とビックリ箱を開けていくような感覚で楽しめます。
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