日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『江川と西本』
『江川と西本』 第4巻
森高夕次(作) 星野泰視(画) 小学館 ¥552+税
(2016年8月30日発売)
かつて読売巨人軍のエースを競い合った江川卓と西本聖を描く注目作は、巻を追うごとにおもしろさが倍増する勢いだ!
ドラフト外ながら高卒で巨人に入団した西本は、ドラフト1位のイケメンスター投手・定岡正二に激しい闘争心を燃やしつつ、一軍で活躍できる日を目指し切磋琢磨する日々。
この西本の、そこらのスポ根マンガも吹っ飛ぶ練習熱心さ、負けん気の強さがたまらない。
しかし、曲者ぞろいのプロの世界は、まっすぐさだけでは相手をねじふせられない。
西本を買っているからこそ、様々な“洗礼”を浴びせる長嶋監督の描写も読みどころだ。
キャンプで、かの王貞治と同室にされるのも“愛のムチ”だったりして!?
一方、高卒時にドラフト1位指名を受けながらも、交渉権を得たのが希望の巨人でなかったことから入団拒否した江川は、大学野球でも輝かしい成績をおさめていた。
そして、再びドラフトを迎えるが――。
本巻では、いよいよ日本の野球史に残る「空白の一日」事件に突入。
球界だけでなく社会をも揺るがしたあの大事件の真相は!?
今だから描けるのであろう舞台裏のエピソードがいっぱい。次巻も楽しみでたまらない!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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