業界注目度No.1!?
「このマンガがすごい!WEB」が誇るランキング選者に協力いただくアンケート集計をもとに、決定される毎月恒例の「このマンガがすごい!」ランキング。今月のランキングは……。
いつの時代も女性は美しいものが大好き!
そんな言葉を象徴するかのように、時代劇ドラマを思わせる美麗なBLマンガが圧倒的支持を得たほか、当サイトで『魔夜峰央の翔ばして!埼玉』を連載中、画業なんと45周年のもはやマンガ界のレジェンド・魔夜峰央先生の伝説的名作が上位にランクイン。
……おっと、このほかにも、新進気鋭のニューウェイブマンガがたくさんランク入りしてますよ!!
(2017年2月1日~2月28日発売作品を集計)
第1位(158ポイント)
『百と卍』 紗久楽さわ
『百と卍』
紗久楽さわ 祥伝社
町人文化はなやかなりし文政後期の江戸。ある雨の日に浅草・駒形堂で卍(まんじ)に拾われた元陰間の百樹(ももき)は、彼と義兄弟の契りを交わす。
お互いの過去には触れないが今いっしょにいることが大事な2人の、のんびり穏やかな日常を描く。
陰間や衆道など、男性どうしが情をかわすことが当たり前どころか男子のたしなみとされた時代を舞台に、美しい男たちが織りなす愛の世界。
ドラマを支える美しい絵柄と丁寧な時代考証、そしてなんといっても艶っぽい江戸男子たちに惹かれます。
オススメボイス!
■久々の新作。丁寧なディテールの積み重ねが、リアリティはもちろんのこと、極上のエロティシズムやロマンティシズムを生み出した。彼らの息づかいや場の空気感がむせるほどに充満する時代ものBLの大傑作(小田真琴/女子マンガ研究家)
■熱い吐息交じりにまぐわう美しい2人の男! エロい! そして美しい!(はろるどキサラギ/フリー編集者)
■時代もののBLはあまり読んだことがないのですが、生っぽさがあって、エロくて、でも耽美な江戸BLの世界にはまりそう(穂高茉莉/楽器店店員)
第2位(124ポイント)
『アスタロト・クロニクル』 魔夜峰央
『アスタロト・クロニクル』
魔夜峰央 小学館
魔夜峰央の代表作『パタリロ!』にも登場する美しき悪魔大侯爵・アスタロトが送るミステリアスで耽美的な物語。
著者の画業45周年を記念して、幻とされる『魔界』から最近作に至るまで、アスタロトが主人公を務める全作品を網羅した愛蔵版。
当サイト『翔んで埼玉』、『魔夜峰央の翔ばして!埼玉』でも人気の魔夜先生の知る人ぞ知る傑作。『埼玉』復刻当時から期待されていた復活にマンガ界全体がわきました。
読んだらきっと、見目麗しい長髪悪魔・アスタロト様にうっとりしてしまうはず!
オススメボイス!
■あの『パタリロ!』地獄編のメインキャラクターである悪魔貴族・アスタロトが主役をつとめるエピソードを集めた豪華本が刊行! いやー、いいところ突いてきますねえ。企画したひと超偉い。表紙を見ればおわかりと思いますが、アスタロト様はマンガにおける黒髪ロングの美の極致を体現するキャラクターのおひとりで、黒ロンキャラ愛好者的に外せない存在なのです(宮本直毅/ライター)
■この世の全マンガのなかでも最強にして兇悪冷酷、なのにひざまで届く黒髪ロングヘアの美貌……伝説的魔界の大侯爵キャラ、ついに単独でまとまる! 私ごとながらゴス長髪薔薇……今も怪奇界隈で生きるわたくしへの魔夜マンガ、特にこのアスタロト様の影響は甚大。一息に呼吸止め描かれた毛筋、顔が映るほど塗りこまれたベタで占められた画面、トーン使わない木目、鏡のフチなど信じがたい技巧がこらされ、ラヴクラフトのクトゥルフ神話やボッシュ、マグリットから稲生物怪録、河鍋暁斎まで様々な幻想怪奇文学・絵画などのオマージュてんこ盛りでゾクゾクします。なのにギャグも冴えわたりすばらしい! 和洋折衷たち現れる魔物は佐藤有文の図鑑を参照したなどと明かす親近感わくインタや腐女子な娘さん描くマンガ、山岸凉子先生が描いたパタ絵と魔夜先生初対面時をつづるコラム! 全方位で最高の本です。断髪ツンデレ全裸! 拷問と萌え要素も満載、必読。全2巻の1冊目、絶対チェック!(澤水月/報道勤務、ライター、平山夢明mixiコミュ管理人)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!
第3位(80ポイント)
『雑草たちよ 大志を抱け』 池辺葵
『雑草たちよ 大志を抱け』
池辺葵 祥伝社
太眉の「がんちゃん」ことなずなは、幼なじみのひーちゃんとゲーム好きの小柄な少女・ピコと行動をともにする女子高生。
彼女はおとなりの高遠のことが気になるのだが、とうの高遠は女子力高めながんちゃんの友だち・かおるのことが気になるようで……。
特別な何かを持ったり、大きな事件が始まるわけでもない普通の女子高生の日常のワンシーンを切りとる著者のセンスが光ってます!
オススメボイス!
■学校におけるマジョリティをかなり意図的に「背景」として描きつつ、地味だけど個性的なマイノリティの面々を「前景」にすえる、「別マ」的な世界とは真逆の青春群像劇。これは21世紀の『純情クレイジーフルーツ』だ(小田真琴/女子マンガ研究家)
■地味だけど凛としたたたずまいの女子高校生たちの群像劇。1冊でぐっとまとめるのがほんとうにうまい作家さんだなあと思います(かとうちあき/「野宿野郎」編集長(仮))
■迷える者の人生をそっと照らし出してくれる魔法の言葉が満載!(井口啓子/文化系ライター)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!