365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
3月19日はワイアット・アープの誕生日。本日読むべきマンガは……。
『正義 -JUSTICE- ワイアット・アープ物語』
フロッシュ(作) 那葉優花(画) KADOKAWA ¥590+税
カリフォルニアでの金鉱の発見をきっかけに、チャンスを求める人々がアメリカ西部へとなだれこんだことで幕を開けた西部開拓時代。
19世紀から20世紀初頭まで続いたこの激動の時代のなかでは、善悪問わず多くの英雄たちが生まれ、死んでいった。
そんな者たちのなかでトップクラスにメジャーなのが、保安官のワイアット・アープだ。
彼の伝説は、愛銃であったとされる「バントライン・スペシャル」(西部開拓時代に活躍した拳銃コルト・シングル・アクション・アーミーの長銃身モデル)とともに、現代まで語り継がれている。
3月19日はそんな彼の誕生日ということで、『正義 -JUSTICE- ワイアット・アープ物語』を紹介したい。
知名度に対し、その生涯には謎の多いワイアットには、英雄説から悪人説まで、数多くの逸話が存在した。
そんななか、本作は英雄説のエピソードを中心に制作されており、無法者が絶えない西部を生きる、若かりし頃の彼の姿が描かれている。バット・マスターソンとの出会いをきっかけに、無法者たちの集まる「ダッジシティ」で保安官を務めるなかで、ワイアットは法や秩序に縛られない、自らの正義へと目覚めていく過程が描かれるのだ。
何度も映画化されたことでもおなじみの、ワイアットの繰り広げた銃撃戦『OK牧場の決闘』は、本作では序盤とラストに少し登場するのみ。
だが、そのぶん伝説の男になった経緯が入念に掘り下げられており、入門編にはぴったりの内容といえるだろう。
<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
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