日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『めしにしましょう』
『めしにしましょう』 第2巻
小林銅蟲 講談社 ¥6590+税
(2017年2月23日発売)
『ねぎ姉さん』、『寿司 虚空編』、『さいはて -Daydream Attractor-』など、ときに不条理、ときに哲学的な香りをただよわせたシュールマンガをWEB上で発表し続け、カルト的な人気を博していた漫画家・小林銅蟲。
そんな彼の最新作が、商業誌「イブニング」での正統派(?)グルメマンガなのだというのだから、古くからのファンほど驚いたのではないだろうか。
そういう意味では「異端」だとも思える本作『めしにしましょう』なのだが、じつは著者自身も料理愛好家で漫画家アシスタント(アシスト先は、第1巻で推薦コメントを書いた『累-かさね-』の松浦だるま)を生業にしており、もはやなかば実録マンガといっても過言ではない。
もちろん、作中に登場する数々の料理も著者が実際につくったレシピで著者運営のブログでは本作の料理を再現したものも多数掲載されている。
第2巻ではクジラ、フォアグラ、松茸、イクラなどの希少・高価食材を惜しげもなく使ったダイナミックな料理が続々と登場。
豪華なのか庶民的なのかイマイチ判別がつきづらいオンリーワン料理の魅力にやられてしまう。
<文・一ノ瀬謹和>
涼しい部屋での読書を何よりも好む、もやし系ライター。マンガ以外では特撮ヒーロー関連の書籍で執筆することも。好きな怪獣戦艦はキングジョーグ。