365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
4月12日はパンの記念日。本日読むべきマンガは……。
『聖樹のパン』第1巻
山花典之(作)たかはし慶行(画) スクウェア・エニックス ¥581+税
今からさかのぼること175年前の天保13年。
伊豆韮山の代官・江川太郎左衛門(えがわ・たろうざえもん)は、国防上の観点から携帯しやすい乾パンに注目。自宅に窯を設置し、長崎のオランダ屋敷で製パン技術を覚えた作太郎という人物を呼び寄せ、日本で初めての兵糧パンを焼きあげる。これが4月12日(旧暦)のこと。
以降、パンは日本全国に広まり、江川はのちに日本のパン業界から「パン祖」と呼ばれるようになる。
1982年、パン食普及協議会は日本におけるパン発祥の日である4月12日を「パンの記念日」、毎月12日を「パンの日」と定めた。
てなわけで、きょうのマンガは「ヤングガンガン」で連載中の『聖樹のパン』。なにやら暗い過去がありそうなパン職人の青年が、新天地で少しずつ成長していくハートフルストーリーだ。
舞台は北海道の小樽。パン屋とペンションを兼ねた「雪の森」を切り盛りする羽咲(うさぎ)と桔音(きつね)の美人姉妹は、パン職人の父親が倒れてしまい、途方に暮れていた。
そこへ東京からやってきたのが、父の知人の息子という22歳の聖樹(まさき)。なにやら気のりしない様子だが、パンに関してはとてつもない知識量かつ腕もたしかな天才肌。
姉妹と聖樹は閑古鳥が鳴く「雪の森」を再建すべく、奮闘を開始する。
ラブコメテイストが全面に出ており、様々なタイプのかわいい女の子がわんさか登場。サービスシーンもふんだんで目に楽しい。もちろんパンづくりのウンチクとノウハウもぎっしり詰まっており、自分でもイチからつくってみたくなる。
ごはん党の方にもぜひ読んでもらいたい、パンの魅力にあふれた逸品だ。
<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。