365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
5月4日は『ミシェル・ノストラダムス師の予言集』が刊行された日。本日読むべきマンガは……。
『放課後カタストロフィ -Re:THE END of the end-』第1巻
猪原賽(作) 平尾リョウ(画) 小学館クリエイティブ ¥550+税
1555年5月4日、『ミシェル・ノストラダムス師の予言集』が刊行された。
そう、かの「恐怖の大王」の到来を予言した書物である。
ノストラダムスは16世紀、医師としてペストの治療などに尽力する一方、占星術の研究も行っていた。そこで詠まれたのが、下記の一文だ。
「1999年7の月、空から恐怖の大王が下りてくる――。」
この一節は広く知られ、1999年当時、世間を騒がせた。テレビや雑誌などでもたびたび特集が組まれ、その真偽のほどに振りまわされた人も多かったことだろう。
結果、恐怖の大王がやってくることはなく、人類が滅亡することもなかった。ノストラダムスの予言は外れた、ということか。
『放課後カタストロフィ』は、そんなノストラダムスの予言と恐怖の大王をテーマにしたマンガだ。しかし、描かれるのは恐怖ではない。本作は、爆笑必至のコメディなのだ。
主人公は大のオカルト嫌いである九十九シトネ。オカルト研究家で「ノストラダムスの子孫」を自称する父親を持つシトネは、自然とそういった類のものから距離を置くようになったのである。
そんなシトネが生きる2015年のある日、彼のもとにひとりの美少女が現れる。突然天から降ってきたその少女の正体は、なんと恐怖の大王。彼女は地球を滅亡させるためにやってきたという。
しかし、時は2015年。予言されていた年から16年もたっている。どうして恐怖の大王は今さらやってきたのか。それは、「寝坊してしまった」から。
それでも彼女は契約を履行しようとするが、エラーが発生。設定時刻が過去(1999年)のため、正しく滅亡しないという。
そんな恐怖の大王に、めちゃめちゃ強めのツッコミを入れるシトネ。
そして、泣きじゃくる彼女に、新たな予言として「2099年の地球の滅亡」を提案するのだが……。
出だしから思わずずっこけてしまいそうな展開が続く本作。恐怖の大王が、まさか寝坊してしまったおかげで地球が救われたなんて、いいんだか悪いんだか、である。
新たな解釈(?)で描かれる、地球滅亡コメディ。こんな恐怖の大王ならば怖くない、それどころかちょっとかわいくもある。これもまた予言のひとつのカタチとして、ぜひ読んでみてもらいたい。
<文・五十嵐 大>
83年生まれの、引きこもり系フリーライター。デスゲーム系やバトルもの、胸キュン必至の恋愛マンガやBLまで嗜む、マンガ好きです。マイブームは、マンガ飯の再現。