365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
5月11日はゲーム『バイオハザード』内でバイオハザードが発生した日。本日読むべきマンガは……。
『ゲームクリエイター列伝』 第1巻
平沢たかゆき 講談社 ¥390+税
1998年5月11日はアメリカ・ラクーンシティ北部に存在するアークレイ研究所にてバイオハザード(生物災害)が発生した日である。「T-ウィルス」と呼ばれる新種ウィルスが漏洩したことで、周辺地域に猟奇事件が続発。事件の解明に特殊部隊「S.T.A.R.S.(スターズ)」が乗り出した……というのは、現実の話ではなく、ゲームの世界のお話だ。
そう、本日は、CAPCOM制作の大ヒットホラーアクションゲーム『バイオハザード』内での事件発生日なのである。
さて、約20年の歴史を持つ『バイオハザード』シリーズは、これまでにも幾度かマンガ化の機会に恵まれているが、そのなかでももっとも異色な作品をあげるとすれば、平沢たかゆき『ゲームクリエイター列伝』第1巻に収録されている「バイオハザードを創った男達」ではないだろうか。
ゲーム本編ではなくゲーム開発陣による制作秘話にスポットを当てた本作は、チームの中心人物であった三上真司(みかみ・しんじ)を主人公にした波乱万丈なサクセスストーリーが描かれている。忠実なドキュメンタリーというより、どちらかといえばドラマチックさに傾注していると思われ、少年誌向けにチューンされたダイナミックなストーリーが魅力。
今や語り草であるゾンビの振り向きシーンは、いったいどのようなひらめきからつくられたのか?
ファンならぜひ一読して、話の種にしていただきたい。
<文・一ノ瀬謹和>
涼しい部屋での読書を何よりも好む、もやし系ライター。マンガ以外では特撮ヒーロー関連の書籍で執筆することも。好きな怪獣戦艦はキングジョーグ。