365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
5月23日は世界亀の日。本日読むべきマンガは……。
『ミュータント タートルズ』 第1巻
ケビン・イーストマン/トム・ワルツ(作) ダン・ダンカン(画) 中沢俊介(訳)
小学館集英社プロダクション ¥2,000+税
5月23日は「世界亀の日」。
……といっても、ほとんどの人は「なんだそれ?」という反応のような気もするので解説しておくと、この記念日が制定されたのは2000年のこと。亀の保護を目的とするアメリカの非営利団体「American Tortoise Rescue」によって提唱されたもので、「亀に関心を向け、知識を深め、敬意を払う」のがその目的であるそうだ。
なお、地球を亀に見立てたこの記念日のシンボルマークがなかなかキュートなので、みなさまも「World Turtle Day」で画像検索していただきたい。
さて、そんな記念日に紹介するマンガとなると、当然のように亀に関する作品。
『DRAGON BALL』や『ジョジョの奇妙な冒険』第5部など、印象的な亀が登場する作品はたくさんある(……というわりには全部ジャンプ系じゃないかというのは気にしないでいただきたい)わけだが、やはり“世界”亀の日ということで、よりワールドワイドな作品である『ミュータント タートルズ』(以下『TMNT』)をピックアップしておきたい。
といっても『TMNT』も多くのアメコミ作品と同様にバリエーションが非常に豊富であるがゆえ「どれから読めばいいの?」と迷うかもしれないが、そんな人にこそオススメしたいのが小学館集英社プロダクションから出版された翻訳版。
そのvol.1は、IDWパブリッシング版での「タートルズ誕生編」となるエピソードがまとめられていることに加え、すべての原点であるミラージュ・スタジオ版のファーストエピソードも特別に収録されている。2014年にマイケル・ベイ指揮のもとリブートされた映画は、前者のIDWパブリッシング版から拾われている設定が多いため、こちらは映画から入ったファンには非常に読みやすい作品で、端的にいえばめちゃめちゃカッコいい!
それを知ったうえでミラージュ・スタジオ版も「最初はこんなのだったのか……」と、興味深く読むことができる本作は、さすがアメコミの邦訳を多く手がける小学館集英社プロダクションというべきナイス編集。ひとまず最初に読む『TMNT』としては、間違いのない1冊といえるだろう。
ほかにも『TMNT』は『バットマン』とのコラボ作品なども含めると、その世界は、はてしなく広がっているわけだが、今日の記念日をきっかけに、少しでも日本でもさらなる広がりを見せるといいなぁと思う次第。
翻訳版だけでも、けっこうたくさん出版されておりますので。
<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。