『火ノ丸相撲』第1巻
川田 集英社 \400+税
(2014年9月4日発売)
「週刊少年ジャンプ」で話題の、熱血高校相撲部マンガ、待望の第1巻が刊行!
横綱を目指す主人公・潮火ノ丸は、高校1年生にして身長160センチにかなり足りない小柄な少年だ。
よく知られているように、大相撲の新弟子検査をクリアする基準は167センチなのだが、火ノ丸は夢をあきらめてはいない。無名の大太刀高校(=ダチ高)相撲部で高校タイトルを総ナメしまくって、大相撲のほうから頭を下げにくるほどになってみせる、と息巻くのである。
そして、この少年決して口ばかりではない。学ランを脱ぐとその身体、上半身も下半身もスゴイんです! 相撲部の練習場を荒らしていた不良どもを一蹴し、気弱だけれど相撲の情熱を注ぐ部長と2人、新生ダチ高相撲部が始動する。
身長のハンデをものともしない取組みっぷり、胸のすくような火ノ丸の快進撃に「これぞ少年マンガ!」と拍手を送りたくなる。土俵の上では鬼の形相、男気あふれるキメゼリフも満載。それでいて日ごろは人なつこくて天真爛漫……そんなギャップも魅力的なキャラクターだ。
低身長の火ノ丸が今後どんな闘い方を見せてくれるのか。相撲のおもしろさをあらためて感じさせてくれる作品になりそうだ。
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」