『バンビ~ノ!』第1巻
せきやてつじ 小学館 \505+税
本日は、「イタリア料理の日」。これは日本イタリア料理協会が、一般の人たちへもっとイタリア料理を浸透させるために制定したもの。イタリア語で「料理」を意味する“cucina(クチーナ)”と“917(クチーナ)”の語呂合わせで、9月17日が記念日となっている。
おそらく多くの人にとってイタリア料理は、色鮮やかで素朴で味わい深いもの、またカジュアルだけれどおしゃれで親しみやすいものといったイメージだろう。ただ、これがマンガ好きとなると、イタリア料理は“熱いもの!!”というイメージなんじゃないだろうか!?
イタリア料理を扱っている熱いマンガといえば、そう、嵐・松本潤主演でTVドラマ化もされた、せきやてつじ『バンビ~ノ!』だ。
福岡・中洲のイタリアンレストランでバイトをしていた伴省吾。自分の腕に自信を持ち、料理人を目指して修行している省吾だったが、店長の勧めでヘルプに入った東京・六本木の一流店“トラットリア・バッカナーレ”でプロフェッショナルたちの仕事ぶりと、最前線の厨房という名の戦場のすさまじさを見せつけられ、鼻っ柱をへし折られる。
のちにバンビ=バンビーノ(イタリア語で赤ん坊)と周囲から呼ばれる省吾自身も熱い性格なのだが、ドラマ、テンション、ペンタッチ含めて何もかも熱いのが本作。それだけに読者の心にも熱くしみる。
本作を読めば、イタリア料理と料理人の世界はもちろん、仕事における根源的な大切さも知れる。誰もが最初は素人で新人。素朴なだけでもおしゃれなだけでもないイタリア料理を、また違う角度から身近なものとして感じられるはず。
<文・渡辺水央>
マンガ・映画・アニメライター。編集を務める映画誌「ぴあMovie Special 2014 Autumn」が9月17日に発売に。『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』パンフも手掛けています。