日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『間違った子を魔法少女にしてしまった』
『間違った子を魔法少女にしてしまった』 第1巻
双龍 新潮社 ¥580+税
(2017年5月9日発売)
「君は選ばれた人間ミュ!!
アタスンモの世界征服を防ぐミュ!!」
「るせぇなぁああ
ぬいぐるみが喋んなよ? ミュ? ミュ? しばくぞ」
双龍『間違った子を魔法少女にしてしまった』は、上記のセリフ&タイトルどおりの作品。
悪の侵略者に対抗するために魔法少女の力を授かった真風羽華代(まじば・かよ)は、世界で一番・魔法少女にしてはいけない女の子だった。
生粋のヤンキー女子であり、女の子らしい表情を浮かべるのはタバコで一服する時のみ。
だというのに魔法少女としての力は圧倒的で、変身する必要すらない。
ほぼワンパンで敵キャラを瞬殺、という構図は、魔法少女×『ワンパンマン』といった感じか。
「外道系の魔法少女」というのも結構な数が出ている昨今だが(まったく世も末である)、とにかく敵が出る→ワンパン、敵が出る→ワンパンという天丼ギャグのたたみかけが楽しく、一発ネタとしては思う存分、楽しめた……と、思いきや、後半ではライバル系魔法少女まで出てきて、えっ?
このマンガ続くの!?
出落ちすぎるこのマンガ、はたしてこのノリとテンションだけでどこまでいけるのか。
ぜひとも、間違った方向にどんどん突き進んでほしい。
<文・前島賢>
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas