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7月4日は「和服・お洋服直しの日」『繕い裁つ人』を読もう!【きょうのマンガ】

2017/07/04


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが 「きょうのマンガ」です。

7月4日は和服・お洋服直しの日。本日読むべきマンガは……。


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『繕い裁つ人』 第1巻
池辺葵 講談社 ¥600+税


7月4日は「和服・お洋服直しの日」。
「7(な)0(オー)4(し)」で「直し」と読む語呂合わせから、和洋服のお直し専門店も営んでいた「ハリウッド・ジュエル・アカデミー」の高橋鎮雄氏が制定した記念日である。

そこで紹介するのは『繕い裁つ人』
中谷美紀主演で映画化もされた。本作のヒロイン・南市江は若いながらに頑固一徹、祖母から引き継いだ仕立て屋をひとり粛々と営んでいる。
オリジナルデザインの洋服をつくりもするが、祖母の代から続く顧客のオーダーメイドやお直しの依頼に応え、地元の人々に愛される存在だ。
親から子に受け継がれた服、また体型の変化に合わせてお直しを、ときには大幅なリメイクも施すプロフェッショナルである。

時代の中心はファストファッション、安価な服を買ってはものの1~2シーズンでお役ご免があたり前の“使い捨て”の時代にあって、本作はいささかファンタジーのように感じられるかもしれない。
しかし、1着でもいい……お直しをしながら大事に着られる服を、“物語のある服”を持つことがどんなに心を豊かにするかが、ひしひしと伝わってくる。

理想が高く気難しい市江は、ときに極端なもの言いをすることもある。
そんな市江に唯一踏みこんで意見するのが、彼女の服に惚れこんだ大手デパートの企画担当・藤井だ。
真に美しいと思える服を通じて、市江と藤井が次第に心を通わせていくさまも読みどころ。
服のみならず生き方を見つめ直す気持ちにさせられる、静かで温かな物語である。



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」

単行本情報

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