日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『にぎっとレゲエ寿司』
『にぎっとレゲエ寿司』
石原まこちん(著) 山口明(企画協力) 秋田書店 ¥850+税
(2017年6月20日発売)
レゲエと寿司……めちゃくちゃ関係なさそうな素材をブッこんだ本作は、音楽マンガでもなければグルメマンガでもない!
浅草の老舗ではあるが、今やむかいにできた回転寿司に押されて閑古鳥の「すし六」に、なぜかドレッド男がやって来た。
「ヤーマン(ラスタマンのあいさつ)」とやけに親しげに振るまうヒトシは、じつは店主の甥っ子だったのである。
彼はジャマイカに渡った店主の姉・エリコの忘れ形見。
故郷で何やらヤバいことをしでかし、伯父を頼ってきたというわけだ。
ビジュアル的に寿司屋にはまったくそぐわないヒトシだが、なんと彼は江戸前寿司伝統の秘技“昇天にぎり”の素質を持っていて……。
「すし六」再建を誓い、斬新な寿司の開発に挑むヒトシ。
「すし六」をつぶそうとするヤクザとのバトルのゆく先は!?
全編に漂うレゲエサウンドと下町人情話テイストが意外にグッドマッチ。
ちょっぴりオツな珍味をお求めの方にオススメだ!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」