『ONE PIECE』第51巻
尾田栄一郎 集英社 \390+税
1580年の本日9月26日は、フランシス・ドレークが世界一周を成し遂げた日。
スペインを標的とした海賊として名を馳せたが、その後、イギリス海軍の中将になったという異色の経歴の持ち主であるドレークは、航海者としても様々な偉業を達成したことで知られている。
1577年、ゴールデン・ハインド号に乗ってプリマス港から出発したドレークは、太平洋を横断後、インド洋から喜望峰を渡りイギリスへと帰国。史上2人目の世界周航を成功させた。この際、新たに発見した海峡には「ドレーク海峡」と名づけられている。
さて、海賊、海軍が登場するマンガといえば、今や国民的作品となった『ONE PIECE』がすぐに思いつくが、じつは本作品にもドレークをモチーフとしたキャラクターが登場しているのはご存じだろうか。
第51巻で登場した「最悪の世代」と呼ばれる新世代の大海賊のひとり、X(ディエス)・ドレークは、元海軍少将の海賊。彼は、動物系古代種の「悪魔の実」を食しており、ティラノサウルスを思わせる恐竜の姿へと変身することができる。これはおそらく、フランシス・ドレークの海賊行為に苦しめられたスペイン人が彼のことを、悪魔の化身である竜(ドラゴン)を指す「ドラコ」という名で呼んだことからの発想だろう。
私掠船として海賊行為を国に認められ、英雄扱いを受けていたフランシス・ドレークと、犯罪者として組織から追われる身のX・ドレーク。まったく対照的な立場となった2人のドレークに思いを馳せて、大長編作品『ONE PIECE』を読みなおしてみるのも一興か。
<文・一ノ瀬謹和>
涼しい部屋での読書を何よりも好む、もやし系ライター。マンガ以外では特撮ヒーロー関連の書籍で執筆することも。好きな
怪獣戦艦はキングジョーグ。