日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『おにでか!』
『おにでか!』 第4巻
矢寺圭太 小学館クリエイティブ ¥560+税
(2017年7月5日発売)
超ド級サイズになってしまった女子高生・鬼龍院花生の活躍も、ついに国外。
第4巻の舞台は上海だ。
巨大少女によるスピーディーなアクションは、ますますパワーアップ。
中華的巨大双子娘は、現代中国は破壊されるべきだと煽動することで、暴徒がいっせいに蜂起するさまは、ビルの瓦礫のなか避難する悲惨な人々の描写もあいまって、なかなか強烈。
ビル以上に大きくなった花生は、テレビで大々的に取りあげられ、今や国民的ヒーローだ。
彼女は幼なじみの普通の少年・武蔵(たけぞう)との絆を、巨大化してからの心の支えにしていた。
しかしこの巻で、上海国際平和会議に呼ばれた花生は、武蔵を日本に置いていく。
武蔵側は何があったかわからないまま。すねてしまうのもしかたない。
2人が離ればなれになったことで、武蔵の本心を問いなおしている巻だ。
花生は今、ヒーローとして、人を守る使命に燃えている。
武蔵はかつて、花生の補助係のようになっていて、どうすればいいかわからずウロチョロしていた。
今度は自分の意思で、彼女の巨大な手を引きたい、と気づくくだりは、熱い。
ビルなどを含め、街はどんどん破壊され、その後修復される。
一見、元どおりに見えるけれども、それはまったく別の新しい街だ。
人間関係はどうなんだろう。武蔵と、巨大になってしまった花生は、もしかつての幼なじみの学生に戻ったとしたら、今までどおりでいられるんだろうか。
せつない恋愛模様と、派手すぎるアクションは、第4巻以降一気にヒートアップしていくので、WEBでの連載もぜひ追ってほしい。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」