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8月11日は「吉川英治(小説家)の誕生日」 『バガボンド』を読もう!【きょうのマンガ】

2017/08/11


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

8月11日は吉川英治(小説家)の誕生日。本日読むべきマンガは……。


Vagabond_s37

『バガボンド』 第37巻
吉川英治(作) 井上雄彦(画) 講談社 ¥562+税


猛暑である。ある年代以上の人たちは「昔は、8月といってもこんなに暑くなかった」と口を揃えるけど、実際のところどうなんだろう。たしかに子どもの頃、夏休みの天気予報では「気温30度越え」なんて、めったに見なかったような気もする。温暖化は進んでいるんだなぁ……。

さて、本日は作家・吉川英治の誕生日である。吉川英治といえば、『神州天馬侠』『三国志』、そしてなんといっても『宮本武蔵』だ。

宮本武蔵といえば、クローン武蔵が登場する『刃牙道』も超オモシロイのだが、やはり本日は吉川英治の『宮本武蔵』を原作とするマンガ、『バガボンド』を読みたい!

最新第37巻では、武蔵が田んぼに入り、飢えに苦しむ百姓たちとともに米をつくるさまが描かれている。

剣豪の道を歩んできた武蔵は、土に触れ、自然の声に耳を傾けながら、人の命をつなぐ食糧を生み出す道を知る。

しかし、武蔵の百姓仕事の師である秀作は、「ここにいたら闘えなくなる」と、武蔵に村から出ていけと伝える。

人の手をかけずして育たぬ稲を世話することは、弱き者へのまなざしを持つことであり、それを知ってしまったら、武蔵は人を斬れなくなる。秀作は、そのことを案じたのだ。

そして秀作は、稲が実ったのを見届けるように、静かに息を引き取る。武蔵は、黄金色に輝く稲穂の前で、村人たちとともに大粒の涙を流す。

命を育てる百姓と、人を斬る剣豪。相容れぬ道を歩む2人がいかに交流したか、ぜひその目でたしかめてほしい。



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」

単行本情報

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