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8月13日は「アステカ帝国の首都がスペイン帝国に陥落させられた日」 『ミキストリ -太陽の死神-』を読もう! 【きょうのマンガ】

2017/08/13


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

8月13日はアステカ帝国の首都がスペイン帝国に陥落させられた日。本日読むべきマンガは……。


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『ミキストリ -太陽の死神-』 第1巻
巻来功士 集英社 ¥500+税


8月13日は、「アステカ帝国の首都がスペイン帝国に陥落させられた日」。
16世紀にスペインからやってきたエルナン・コルテスらによって、アステカ帝国の首都・テノチティトランが陥落。 コルテスは、このテノチティトランの上に現在のメキシコシティにあたる首都を建設し、植民地ヌエバ・エスパーニャの首都とした。
以後数世紀にわたる中南米の植民地支配が始まる象徴的な出来事だといえるだろう。

この日に読みたいのは『ミキストリI -太陽の死神-』とその続編『ミキストリII -太陽の死神-』
アステカ文明の研究のためにメキシコを訪れた江島陽介と恵子の考古学者夫妻は、現地のギャングに襲われた。恵子はギャングにさらわれ、陽介は全身に火傷を負い、瀕死に陥る。
たまたま同じ事件で殺害された人物の皮膚を移植されることで一命をとりとめるが、陽介に移植されたその皮膚は、アステカ文明の神官のものであった。

陽介は、移植されたアステカ文明の神官の皮膚から「人間の心臓を切開手術なしで手掴みで抜き取る」という能力を得る。ギャングにさらわれた恵子を探すために、この能力を使って暗殺者として生きることになった陽介は、やがてミキストリ(死神)と呼ばれるようになっていた。
ようやく見つけた恵子はギャングによる脳手術の実験で超能力殺人者に改造されており、陽介は脳死状態にして眠らせ続けることを選ぶ。恵子と再び暮らすことを願う陽介は、再び暗殺者・ミキストリとして戦い続けるのだった。

1990年代に連載が開始された本作は、アステカ文明をはじめとする世界各地の伝説や神話を盛りこみ、そこに宇宙から飛来したウィルス(神と呼ばれる)による擬似生物学的な説明を付与するオカルト趣味にくわえて、脈打つ心臓を素手で掴み取るなどの奇抜なバイオレンス表現と、登場人物の裸体が頻繁に露出するエロ要素が合わさった、まさに文句なしのグラインドハウスマンガ。
エログロオカルト好きの読者にはぜひオススメしたい作品だ。



<文・永田希>
書評家。サイト「Book News」運営。サイト「マンガHONZ」メンバー。書籍『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』『このマンガがすごい!2014』のアンケートにも回答しています。
Twitter:@nnnnnnnnnnn
Twitter:@n11books

単行本情報

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