『三番目の月』第2巻
文尾文 ワニブックス \680+税
(2014年9月25日発売)
原因不明だが無人の星となった地球に、主人公・シキたち4人が降り立つ。
未知の宇宙古代文明の遺跡として、水没した無人の地球を調査する主人公たち「調査隊」。本作は、調査隊が出会う無人の地球のさびしさ、美しさと、のんびりした主人公たちの暮らしぶりを描くもの。
映画『猿の惑星』のラストシーンを「美しい」と思ってしまうような、あるいは深夜や早朝、誰もいない街の新鮮さが好きな人にオススメしたい。
第2巻は、シキの過去や、作品世界の謎が(少し)明かされる完結編。
現実の現代の日本のような情景が、そのまま水没している世界を「探検」する視線は、とても気楽で肩の力が抜けた気持ちいいもので、謎は謎のままでよいから、もっと続けてほしかったな……。
<文・永田希>
書評家。サイト「Book News」運営。サイト「マンガHONZ」メンバー。書籍『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』『このマンガがすごい!2014』のアンケートにも回答しています。
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