『ワールドトリガー』第8巻
葦原大介 集英社 \400+税
(2014年10月3日発売)
突然開くゲートから異界(近界=ネイバーフッドと呼ばれる)より謎の敵(近界民=ネイバー)が襲ってくるようになった街で、ネイバーから人々を守るために戦う「ボーダー」という組織が現れる。
本作は、その組織に所属する中学生「三雲修」と、彼の中学に転校してきたネイバー「空閑遊真」を中心に描かれる、バトル・ジュブナイルとでもいうべき作品。
防衛機関であるボーダーに、ネイバーの遊真が狙われるという状況から、遊真もボーダーに入隊して隊内の人間と交流を深めていく段階を経て、とうとう近界からの大規模侵攻の局面になったのが、第7巻(表紙が最高にかわいい)。
今回刊行されたのは、2カ月連続刊行の2巻目となる第8巻。世界設定の大枠である近界と地球(ネイバーからは「玄界」と呼ばれる)の関係や、近界のだいたいの状況が判明してきており、そのネイバーの技術を使ったボーダーの武器もほぼ図解された(同時にネイバーの武器の説明にもなっている)。
登場人物たちの素性もかなり説明されてきており、バトルマンガとして今もっとも脂がのっている状態だといえるだろう。
10月5日からはアニメの放映も始まり、今後の展開にも大いに期待が集まるところ。
<文・永田希>
書評家。サイト「Book News」運営。サイト「マンガHONZ」メンバー。書籍『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』『このマンガがすごい!2014』のアンケートにも回答しています。
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