『制服あばんちゅーる』第1巻
さぬいゆう(作) 伊丹澄一(画) 竹書房 \580+税
（2014年10月7日発売）

赤面する不器用女子は好きですか？
好き？　ならば即、このマンガを読もう！

風紀委員長の絲生（いとう）委員長は、やたら男女交際に関して厳しい女子生徒。
「まったく……男女で手を繋いじゃってさ。今回も何人か見てしまったし、朝っぱらからイライラするわ」
常にツンツンピリピリ。風紀はつねに乱してはならないでしょう？　本当にけしからん！

じつは、一番恋愛に憧れを持っていて、男女交際に興味津々なのが絲生委員長。気になるお相手は、同じ風紀委員の嘉湧（かわい）君。
たまたま風紀委員の仕事でふたりきりになった時の彼女のモノローグ。
「え？　なんで嘉湧くんなのにテンション上がってるの!?　上がるもんか、で……でも……だけど……ッ」
絲生さん、それ、恋っていうんだよ。

「断固として認めない。認めんぞー！」という行動を繰り返せば繰り返すほど、嘉湧君が気になって仕方なくなる。
だからそれは恋なんだって。

絲生さんの激しい墓穴掘りが楽しいこのマンガ。特に気に入っているのが、荷物を運ぶ2人の男子を後ろから応援している絲生さんが、無意識のうちに嘉湧君の名前しか呼んでいない、というシーン。
この「わかってなさ」がたまらんのですよ。

短編のクライマックス、絲生さんが赤面してしまうシーンでは、見開き大ゴマでドーンと描く手法が毎回使われている。
彼女の「な、何言ってるのよ！」感は、それほどパニックだということ。
読んでるこっちが赤面してしまうわ。

＜文・たまごまご＞
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」