『バベル式 神ガール』第1巻
おみおみ 新潮社 \580+税
(2014年10月9日発売)
「巨女ブーム」だ。怪獣レベルに巨大な女の子がかわいい、という嗜好だ。
この作品は、ばっちり巨大少女のいいところをフィーチャーしている。
主人公の樋田日高は、高校に入ったばかりで、ものすごく大きな声を聞く。仰天していたものの、周囲の人には聞こえていない様子。
彼が見たのは身長60mはあろうかという巨大な少女。ごくわずかな人間にしか彼女を見ることができない。こうして日高は、同じように彼女が見える先輩たちの手によって、強引に「かみさま部」に入部させられることになる。
とにかく巨大少女のかみさまがキュート。神様とは言われているけど、ごく普通の女の子。かわいいものが好きで、ちょっと気まぐれで、辛いことがあったら涙を流す。
ここしばらくのマンガのなかでも、トップレベルに気弱で脆弱な日高。彼が、巨大であるがゆえに不安を抱えるかみさまと交流を深めていくのが、見どころのひとつだ。
もうひとつの見どころは、かみさま部を含む数多くの部活が密集した、バベルの塔のような部活棟。これ描くの毎回たいへんだろうなー!
ジブリアニメ『コクリコ坂から』のカルチェラタンや、九龍城を彷彿とさせる。カオス建造物好きなら必見。ネタ探しするだけで楽しい。
1点気になるのは、かみさまが自由に普通の人間サイズにもなれるという部分。
「人間サイズも巨大少女も楽しめる」ためのこの手法。今後物語に強く影響する部分だと思われるので、ここは2巻以降に期待したい。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」