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『35日間世界一周!! Part5 カリブ海リゾート&NY・ハワイ編』 水谷さるころ 【日刊マンガガイド 】

2014/11/08


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『35日間世界一周!! Part5 カリブ海リゾート&NYハワイ編』
水谷さるころ イースト・プレス \1,233+税
(2014年10月5日発売)


35日間で世界一周!?
そんな無茶に大マジで取り組んだ3人旅の模様をこと細かに描いたエッセイコミック。

発端は、作者が2008年に「旅チャンネル」の番組『行くぞ!30日間世界一周』に出演したことにさかのぼる。その珍道中ぶりをマンガ化したのが前作『30日間世界一周!』(全3巻)。
本作は、好評を受けて2009年に同じく旅チャンネルで企画された第2弾、すなわち“世界一周・2周目”の実況マンガだ。イラストレーター・水谷さるころ、そして番組ディレクター氏、制作プロデューサー氏……“ボンクラ3人組”と呼ばれる面々が、再びドタバタの世界旅行を展開する。

香港、マレーシア、タイ、オランダ、スイス、イタリア、スペイン、ポルトガル、ペルー、ボリビア、セント・マーチン島(オランダ領フランス領)、アメリカ。訪問国は11カ国、19都市。総フライト数はじつに13回!
最終巻となる本巻は、ボリビアを発ち、カリブ海に浮かぶセント・マーチン島を目指すところから始まるが、なにしろ旅も終盤、さらには前巻の南米高地で受けた肉体的ダメージで3人はボロボロ。それでも強者の3人衆はご当地の食事に舌鼓を打ち、ジャンボジェット機の発着が間近で見られるビーチで砂まみれになりながらもベストショットを狙いと、旅バカの底力をしっかと見せつけてくれる。
いや、ホントに読んでるだけで疲労を覚えるようなハードスケジュールなのだ!!

ニューヨークでもタイムズ・スクエア、アメリカ自然史博物館をまわり、チャイナ・タウンで飲茶を楽しみ、フェリーから自由の女神を望む……とイベント目白押し。
さらには国連職員である作者の友人の案内で国連の本会議場に潜入したり、歴史的建造物として保存されるコニーアイランドの観覧車に乗ったり。そして一行は旅の最終地ハワイへと向かう……!

超強行軍にもかかわらず、3人のゆるゆるしたノリとトラブルにも動じないざっくり加減、阿吽の呼吸が心地よい。この3人じゃなければ成立しなさそう!?
各地の写真も満載、情報量ぎっしり、旅のすべてをすみずみまで見せる入魂のフルカラーコミックだ。



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」

単行本情報

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