『臨死!!江古田ちゃん』第8巻
瀧波ユカリ 講談社 ¥552+税
(2014年10月23日発売)
江古田ちゃんが……真っ黒のワンレン、アジアンなあっさりした顔立ち、スレンダーな24歳、(2014年の今となっては)かなりマメに働いてるフリーターの、部屋では全裸の江古田ちゃんが……ついに完結。
思い返せば10年前、合コンで狙ったオトコをかわいい顔&仕草でサッとかっさらうタイプの女を“猛禽ちゃん”と新たにカテゴライズしてみせてくれたのが、江古田ちゃんだったんだよな~。
江古田ちゃんて、自分のダークな部分にも潔い。
おもしろ半分とかちょっとネタで……とかでヤっちゃったりする自分も、別に卑下はしてない。あんなに引っ張ってた不毛なマーくんとの関係も、あ、自分のやりかた間違ってたなって、ストンと腑に落ちたら別れちゃう。
しかし、“●●女子”も細分化されすぎ、合コンも街コンになり、男子は草食化し、同カテゴリーの女同士もマウンティングし合い、自虐ネタでこじらせ自慢しあうこのご時世じゃ、たしかに江古田ちゃん(的視点)は臨死どころか臨終(帯にも書いてあった)寸前かも。
数々の秀逸な「あ~、あるある!!」「あ~、いるいる!」ネタを時にチクリと時に豪速球で届けてくれた江古田ちゃん、今までありがとう!
最終回までテンション下がらず、ラストもちゃんと江古田ちゃんらしいのが清々しかった!
<文・小山まゆ子>
フリーランスの編集・ライター。美術出版社刊『マンガ背景技法 グリッドで背景を描こう』(常野啓・著/菅野博之・監修)の第二弾にまたライターで参加しております。現在鋭意製作中。